泥水を糧に美しい花を咲かせる蓮

世界最古の大賀ハスはクローン?
世界最古のハス
1951年、大賀一郎博士が、千葉市検見川にある東京大学検見川農場の落合遺跡で、2000年前の蓮の種を発掘。その種を元に発芽・開花させた蓮を大賀ハスと称している。
大賀博士は発掘した芽を開花させることに成功しただけでなく、国外内、惜しみなく分け与えた結果、現在、2000年前の蓮が世界中で美しい花を咲かせている。まさにハス・クローン。
観賞用ハスの栽培をする東大生
その後、観賞用蓮品種の研究が続けられ、2010年、西東京市の田無キャンパスに移設され、東大生態調和農学機構となり今日に至っている。
大賀ハスの写真集
田無キャンパスに移転する前年に、千葉市の検見川にあった東大緑地植物実験所で公開された際に、早朝からカメラを担いで撮影した大賀ハスの写真をごゆっくりご鑑賞ください。2000年前、同じように咲き誇っていたのではと想像するだけでわくわくしませんか。
写真術:蓮を美しく撮る3つのコツ
Mr.Soutanの写真術:蓮を美しく撮る3つのコツとは?
①蓮の花の開花は朝早いので早朝から撮影
②蓮の花は開花時期より、開花時間が大切
③構図の切り取り、視点、露出を変える
①蓮の花の開花は朝早いので早朝から撮影
深夜の一時頃からゆるみ出し、早朝7時~9時頃に全開。

腰を下ろし、花を見上げ、光と影を意識して撮る。

葯(やく)の美しさを蝶になった気持ちで上から撮影。

花びらが全開するのは、7~8月中旬頃まで。しかも早朝。
全神経を集中し、シャッターを押す。

②蓮の花は開花時期より、開花時間が大切
蓮の花の開花時間帯
日の出とともに咲き始め、7~9時頃に満開を迎え、9~10時を目安に花は蕾へと戻り始める。午後になると咲いている花はほとんどなく、翌日散ってしまう。美しい存在は薄命かも。

細い茎に大きな花びら、風が吹くと揺れるため、ピンボケになってしまう。ピント(焦点)がピッタリ合う瞬間を待とう。

背景をぼかすことで、花びらの陰影や花びらの透明感を表現。

同じく背景をぼかし、花びらや葯(やく)の軽やかさを表現。

③構図の切り取り、視点、露出を変える
何を撮るか?撮る人のセンスも関係するが、その時しか得られない偶然性の出来事、チャンスを生かすのも大切。

花びらが一枚一枚、まるで踊っているかのような柔軟性を表現。

「これから一緒に咲こうね」と蕾を誘うような表情を表現。

背景を深緑色にぼかすことで、白い花びらを一段と美しく表現。

写真コラム:白黒からカラー
なぜローマの休日は白黒?
写真が白黒、テレビも映画も白黒。それが1935年にカラーフィルムが開発され、1941年には、日本初のカラーフィルムが発売された。
余談ですが、そのカラーフィルムの一番乗りは野口英雄博士だったそうです。黒いスーツの胸ポケットに黄色い花を挿して撮影。写真を撮られるのが大好きだったらしい。
その後、1981年にソニーから「マビカ」というカメラが発売されてから、フィルムからデジタル、そして、今のスマホ付きのカメラへとすごいスピードで変化し続けている。
そこで映画「ローマの休日がなぜ白黒か?」
とふと思った。
学生の頃、始めて映画館で見た時、オードリー・ヘプバーンの美しさに声も出なくなるほどびっくりした。
「美しい!こんな美人が世界にはいるんだ」
先日、久しぶりにビデオで鑑賞。自分でも驚いたが、カラー映画を見ている今の自分が、白黒映画に感激している。
白黒だからこそ美しく見える主人公、そしてローマの風景。
当時はすでにカラー映画が出ていた。「風と共に去りぬ」などはローマの休日より前の作品なのに総カラー。
なぜローマの休日は白黒?
調べてみると予算がなかったからという理由。ローマでの撮影となるとアメリカの映画会社としてはお金がかかりすぎる。
そのために白黒だったということらしい。
でも、本当に美しく、ヒロインを撮影し、ローマの魅力を再現している。カメラスタッフの技術力が当時の最高峰だったことも幸いしている。白黒映画、白黒写真。これからも残って欲しい。
付録の「白黒写真」
昭和40年代に学研の付録に「白黒写真」というのがあり、大いに理科への興味が湧いた。当時はカメラはとても高級で子供が持つことなど夢のような時代。しかし、撮影の基本が理解できる楽しい付録シリーズだった。
多分、それがもとで写真に関心を持った人々が多いと思う。
時代の進歩はとにかく速く、理解するどころか、ひたすら追いかけて走っている状態。しかし、写真がデジタルになって、そのためにパソコンが使えるようになったのは儲けもの。
人生、無駄な経験はないということです。
蓮の花言葉は「清らかな心」
蓮の花言葉は、「清らかな心」
ハスが泥の中から美しい花を咲かせる姿から付けられた花言葉と言われている。そして清らかな心は悟りの世界を表している。
即ち、蓮の花は仏教における最上の花として、悟りの世界を象徴する花となっている。
蓮は泥の中に根付いて水面上にきれいな花を咲かせる。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉もあるように、泥の中にありながら、まっすぐに茎を伸ばし、美しく咲く姿が、煩悩に溢れた俗世に染まらず、清らかに美しく生きる姿が悟りを開くことを目指す仏教の教えに通じる。
インドでは、インダス文明の頃から神聖化され、今は国花とし大切にされている。ちなみに呼び方は「ロータス」英語読み。

大賀ハス:クローン技術
大賀一郎博士にノーベル賞を!
大賀博士が2000年前のハスの種を見つけた場所は、千葉県検見川の落合遺跡。弥生時代の発掘現場、地下6メートルの場所。そこで発掘できたのはたった3粒。博士はその2粒の種を失敗。三度目の勝負をかけた3粒目が見事発芽、そして開花した。
実は博士、ハスの研究を始めてからすでに30年以上が経過していた。もっとも、ハスに興味を持ったのは子供の頃。近くの神社の池に咲いているハスに心を奪われた。それからの人生、全てハスに捧げた情熱が成功の要因だったといえる。
博士は学生たちの力を借りて、その種を増やし、欲しいという人々に分け与えた。そして今、2000年前のハスが全世界で花を開花し、人々を楽しませている。ハスのクローン技術は素晴らしい発展を遂げている。
ハスは古代において、花の美しさばかりでなく、生活の必需品だったに違いない。根や実に様々な薬効があり、食用としてもミネラルや食物繊維が沢山含まれている。
大賀博士は30年以上の研究の成果で、ハスの生態を熟知していた。だから、6mも深い発掘作業の中で、たった3粒を発見できた。一般人には考えられない非常識な行為。でも、博士は自分を信じて実行した。そして、世界最古のハスを発芽、開花させた。
1965年に82歳でこの世を去ってしまったが、たぶん、あの世でもハスの研究を続けているはず。
大賀博士の偉大な業績にノーベル賞を!
ぜひ記憶に留めて欲しい大賀ハス!
大賀ハスを撮影しながら、ハスだけでなく、様々な知識が得られる。やはり写真万歳。
ハスの写真を楽しんだ後は、ハスの商品がお勧め💑
ハスの花は鑑賞するだけでなく、美白効果もあるそうです。ハスの実は薬効成分、ハスの地下茎であるレンコンを食べると多分、美肌だけでなく体全体にいいかも。お勧めです。
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花ハス:中型品種(草丈)(肥料付)
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