千葉の絶景:屏風ヶ浦

千葉の絶景:東洋のドーバー

源頼朝の心を救った風景

今回は千葉県銚子市、屏風ヶ浦をご案内します。 源頼朝が『まるで屏風のようだ』と感嘆したと伝わる、長さ約10kmにわたる断崖絶壁。「東洋のドーバー海峡」とも呼ばれる絶景。国の名勝・天然記念物にも指定されています。

まずは銚子駅から旅をスタートします。

銚子駅から旅をスタート

屏風ヶ浦といえば横浜にも駅がありますが、あちらは『浦』。こちらは『ヶ』が入る絶壁の『ヶ浦』。格の違いを確かめに行きましょう」

圧倒的なスケール感に圧倒される

駅から現地へ。まずはその全貌をお見せします。

屛風ヶ浦全貌

この迫力は現地に行って始めて味わうことができます。10kmにわたって高さ40〜60mの崖が続く。まさに日本が誇る『東洋のドーバー』です。

10kmにわたって高さ40〜60mの崖

この地層は「飯岡層(いいおかそう)」と呼ばれます。
約300万年前〜100万年前、ここは水深数百メートルの深い海の底でした。そこに静かに降り積もった細かな泥が、この巨大な壁のベースになっています。
飯岡層と呼ばれる理由。この地区が千葉市旭区飯岡だからです。地質学の世界では、観察できる地名を名付けるそうです。

地層をマクロの視点で読み解く

崖に近づき、地質学的な価値を深掘りします。

地質学的な価値のある飯岡地層

この美しい縞模様は下総台地が削られてできた断面、いわば数百万年分の地球の地層図です。

縞模様:下総台地が削られてできた断面

「泥岩(でいがん)」という、海の底に積もった細かい泥が固まってできた岩石が主成分です。海の化石が発見できるかも。

縞模様は下総台地が削られてできた断面は泥岩

この風景を見て不思議に思ったことがあります。
なぜ周辺は平坦な土地が多いのに、ここだけ40m〜60mもの高さの崖になっているのか。

理由は、この場所が隆起(りゅうき)」しているからです。

ここは元々「山」だったわけではなく、「平らな高台が、海に削られて今の形になった」のです。

形成のプロセス:
1.プレートの力で海の底の地層が平らな台地として地上に出る。
2. そこに太平洋の激しい荒波が直撃する。
3. 柔らかい地層(泥岩)なので、波が根元をどんどん削る。
4. 支えを失った上の地層が崩落し、垂直な崖ができる。
5. これが10kmにわたって繰り返された結果、今の姿になった。

崖に刻まれた穴の正体

崖の裾にあるこの大きな穴。 ゆるやかなカーブを描いていて、まるで『巨人のかつら』を外したあとのような不思議な空洞。これは海食窪(波蝕窪)。 太平洋の激しい波が、数千、数万年という時間をかけて崖の柔らかい地層を一点集中で削り取った証拠。

屛風ヶ浦の崖の穴の秘密

でも上にあるのは、やけに角ばって鋭い……。これは明らかに人の手が入っています。

屛風ヶ浦の崖の穴の秘密。人が掘った?

歴史のレイヤー:戦時中の記憶

人工の穴をクローズアップし、その背景を語ります。

横に並ぶ屛風ヶ浦の崖の穴の秘密。人が掘った?

陸軍第52軍などが、九十九里浜から屏風ヶ浦にかけて米軍が上陸してくるのを阻止するため、崖の中腹に「洞窟陣地」(機関銃を撃つための銃眼や、兵士が潜む壕)を数多く掘ったそうです。

屛風ヶ浦の崖の穴の秘密。人が掘った?秘密基地

この角ばった穴、実は戦時中に作られた軍事拠点の跡。柔らかく掘りやすい地層だったからこそ、防衛の最前線として選ばれた。太平洋の『波』が削った穴と、戦争という『時代の波』が穿った穴。同じ崖に、全く違う時間の痕跡が同居しているわけです。

同じ崖にある二種類の穴。 片方は数万年の地球の営みを語り、もう片方は激動の歴史を語る。崖の歴史は奥深いです。

頼朝の愛した崖

頼朝の愛した景色、その真の姿

もし、本当に頼朝が見たとしたら、その当時はまだ海の中だったという説もあります。本当に頼朝が屛風ヶ浦と名付けたか?
当時にタイムスリップして確かめたいですね。

頼朝の愛した景色、その真の姿

源頼朝が千葉に上陸した時の真実

頼朝は、歴史上の重要な場面で千葉にやってきています。

石橋山の戦い(1180年): 
平家に敗れた頼朝は、神奈川の真鶴から船で千葉県の安房(現在の鋸南町や館山市付近)に逃げ延びた。

再起の地: 
頼朝は千葉の有力豪族(千葉氏や上総氏)の助力を得て軍勢を立て直し、再び鎌倉へ向かって進軍した。この際、九十九里浜の長さを測らせて「九十九里」と名付けたという説も残っている。

そんな『歴史と地質のレイヤー』を感じながら歩いてみると、いつもの絶景が、少し違って見えてくるかもしれません。

防波堤(護岸)の目的と影響

防波堤(護岸)の目的と影響

屏風ヶ浦の雄大な海食崖は、本来、太平洋の荒波によって常に削られることで新鮮な崖面を維持していました。しかし、その侵食作用による崖崩れや、周辺地域への被害を防ぐために、人為的な防護策が取られてきました。

例えば、東は名洗港から西は刑部岬まで、波打ち際に沿って消波ブロックや護岸が設置。しかし、屏風ヶ浦からの土砂の供給が止まったことで、南に連なる九十九里浜の砂浜が後退するという別の環境問題も発生しています。さらに侵食が抑えられた結果、崖面に植物が生えるようになり、地層の縞模様が見えにくくなっている箇所もあります。

自然は常に変化しています。そこに人間の手を加えることは、長い目で見ると、どうなるのか。難しい課題です。

もし、本当に源頼朝が見た屛風ヶ浦はどうだったのか。海の中に存在していたかもしれません。それは圧倒的な景色だったはず。
神の光として、頼朝に力を与えたかもしれません。

また、戦争中にこの屛風ヶ浦の自然の壁に穴を掘った兵士たちが、今のこの風景を見たらどう思うでしょうか?

そんなことを考えながら、この風景を見ることは、歴史や自然を深く考える絶好の機会です。最高の訪問スポットです。

海風が強いので、写真撮影中に、帽子が飛ばされないようにご注意ください。

アクセス・基本情報

  • 住所: 千葉県銚子市潮見町(銚子マリーナ隣接)
    銚子マリーナ海水浴場から続く遊歩道を歩けば、 地層を間近に観察できます。
  • 駐車場: 銚子マリーナの無料駐車場が便利。
  • 注意点: 崖の上は私有地や危険箇所が多いため、基本は「下の遊歩道」から見るのがルール。

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