クロアチアは、バルカン半島の西側、アドリア海沿岸にある美しい国。かつてはユーゴスラビアに住むクロアチア民族。第二次世界大戦中に「クロアチア独立国」が誕生。その後の紆余曲折の歴史を経て、現在の美しい姿になった。
モチーフ探し紀行文
スタジオジブリのアニメ映画「魔女の宅急便」の舞台になったクロアチアのドゥブロブニクが、少し前に内戦で空爆を受けていたなんて。旅するまで何も知らなかった。人々の愛と労力があってこその美しい街、貴重な世界遺産です。
ドゥブロブニク散策
ドゥブロブニクの城壁

城壁の上を歩く散策コースがあり、美しい風景を眺め、魔女の宅急便の世界に浸りました。
ドゥブロブニクのおしゃれなカフィ

散策の後はもちろんカフィ。フェスティバルという赤いテーブルクロスの店でケーキセットを注文。美味しかった!
ドゥブロブニクの路地裏
建物の途中途中に路地があり、そこから見える風景がお見事。
とても絵になる風景。女性は後から描きこみました。

クロアチア・ザグレブへ
美しき首都ザグレブ

クロアチアの首都ザグレブ。旧市街が美しいだけでなく、街中を歩くだけでアートフルな気分に浸ることができる。
プリトヴィッツェ湖群国立公園

自然はプリトヴィッツェ湖群国立公園が代表的。私も何度か散策したが、透明感のある滝や湖沼、そして秋の紅葉や、スノウドロップの白い花々に感銘。途中、おしゃれなレストランで地元料理パスタで元気を頂きました。
クロアチアの島が美しい
アドリア海にオレンジの屋根が宝石みたい。
コルチュラ島

アドリア海に地震は?
ドゥブロブニクで泊まったホテルはアドリア海岸に地下から行き来できた。毎朝、地下の出入り口から外に出たのだが、なんと警備員は猫。白い猫がいつもお出迎えしてくれた。朝早くの時は、なんと海岸にまでついてきて、しばらく海を一緒に眺めていた。
言葉はにゃーん。一言で通じたようだ。
ホテルが海岸線と同じ標高。日本では考えられない立地条件。しかし、ホテルのベルボーイ君の話では、
「地震なんて知らないよ。津波なんてみたことないし」と
明るい笑顔、片言英語で話してくれた。
「ツナミをしらない。でも空からの砲撃は知っているよ」
明るい笑顔が一瞬消えた。自然より、人災が大きい爪痕を残す場合がある。彼の眼はそう言っているように見えた。
ホテルの警備係の猫

クロアチアの歴史
クロアチアの歴史は古く、古代ローマ時代やオスマントルコ、ハプスブルク帝国の支配も受けていた。その後、ユーゴスラビアの支配下にあったが、1980年チトー大統領の死後、民族主義者が台頭し、1991年6月に「クロアチア共和国」としてユーゴスラビアから独立宣言。
ところが、その後、ユーゴスラビア連合軍の砲撃でドゥブロヴニク旧市街が破壊された。これがクロアチア紛争の発端。旧市街はその約80%が破壊されたそうです。紛争が終結したのは1995年12月。それから住民の復興作業が行われ、私が訪問した時は、ほぼ98%がもとに戻ったと地元のタクシー運転手さんが誇らしげに話してくれた。でも城壁から見渡すとまだ破壊されたままの爪痕があちこちに見え隠れしていた。
戦争や紛争は宗教、民族、領土争い。様々な理由はありますが、どれも結局、破壊作業。文化や生活や人々を破壊し、幸せを食い尽くしてしまう。
何もなければ、美しいアドリア海に穏やかな気候。地震も津波も台風もない世界。紛争さえなければ、最高の世界になるはず。クレ・クール寺院
バチカン半島は火薬庫
バルカン半島は世界の火薬庫。歴史でそう学んでいた。クロアチアの歴史どころか、その存在さえ知らなかった学生時代。ユーゴスラビアの紛争は何度も耳にしたが、それが、クロアチアやセルビア人に結びつかなかった。
今回の旅で、セルビア人の少女と出会って、紛争などまるでなかったかのような、その屈託のない笑顔に感動した。
少女の名はアデル

ホテルで出会った少女の名はアデラ。瞳の美しい女の子。
今のクロアチア
クロアチアのドゥブロブニク

今のクロアチアは紛争もなく、農業生産も好調で、平和な国といえる。
スプリットという街にも行ったが、朝市でたくさんの人々が交流し、平和を満喫していた。
少女アデラの願い
アデラは現在、ホテルのフロントで働いている。空爆で両親を失って、ホテルの支配人に助けられたという。
「どうか、今の平和が続きますように」と、英語とドイツ語で語りかけてきた。その美しい瞳に圧倒された。悲劇はもういいと、アデルは最後につぶやいた。

この美しい街を守りたい
クロアチアには世界遺産に認定されたスポットが10もある。
バルカンの火薬庫といわれた国が世界の宝石と称号を変えた。
この平和がいつまでも続くように祈りながら、旅を終えた。
大国に支配され、独立し、また支配されるという繰り返しの歴史を持つクロアチア。今でこそ平和で美しい宝石のような国となったが、またどこかの大国の標的になるかもしれない。
どうか、そんなことが起こらないよう祈るばかりです。
日本が支配されなかったのは、極東の島国、大国から遠い存在だったという地理的なものかも。また江戸末期、海外勢から日本を守ろうという勇気ある人々がいたから。
クロアチアの帰国の便でそんなことを考えていました。
絵の旅人Ms.Distel(日本語でアザミ)本名は山田みち子。これからもお楽しみに!
幸せのおすそ分けをしませんか。ぜひあなたの真心を託してプレゼントを楽天市場から。