朝霧に包まれた尾瀬は、人間に「芸術とは何ぞや」「美とはいかなるものか?」などという疑問を吹き飛ばす威力がある。
感動を伝える言葉が出ない。絵にも描けない。写真で撮りたいが、目の前の奇跡の映像をただ息をのんで見ているだけ。
ここでスライドショーをご覧ください。
実際に行って体験し、肌で感じ取れる美が存在します。
尾瀬の神秘的な朝霧の写真
朝霧と朝日が織りなす透明感のあるグラデーション

夜の気配がまだ漂っている
山小屋の起床は早い。午前4時ごろから物音が聞こえてくる。しかし、それよりも早く目覚めてしまった。
尾瀬の朝霧。昨夜はよく晴れ渡っていた。風も穏やか。朝霧が出る条件にピッタリあった気象条件。こんな朝を待っていた。
さて、身支度して、カメラの準備。重いカメラを首にかけて、いざ出陣。この苦労が実りますように。朝ごはんなどは後でいい。
午前5時50分。周囲は真っ暗
でも山際が少し明るい。枕草子を思い出してしまう。
「山ぎは、少しあかりて……」
ほとんど見えないにもかかわらず、自然の呼吸のようなものを感じることができた。これから起こるだろうと予想できる自然に期待を膨らませながら、カメラをぐっと構えた。前景はほとんど暗く、都会のような光は全くない闇の世界が広がっていた。

Mr.Soutan写真術:3つのコツ
①太陽が昇る場所を調べておく
②日の出は何時かを調べておく。
③準備は時間をかけ、シャッターは素早く。
①太陽が昇る場所を調べておく
日の出の場所が重要。前の日に自分の足で確かめたり、山小屋のスタッフに聞いておく。
しかも少し早めに出掛けると目がなじんでくる。しょぼしょぼの目ではいい写真が撮れない。それでなくても老眼?(笑)
静けさの中に小鳥のさえずり
無音の静寂とはちょっと違う自然の静けさ。チッチッ、チーチー、キョロン。小鳥たちの会話かな?

静けさと感動は心に響く体験
静けさは心の内面に考える余白を与え、自分の心を豊かにしてくれる。感動は何かに強く心を動かされ、その体験で、自分が変わる。どちらも心を揺さぶるという共通性がある。
写真も同じ。撮りたい被写体の前でその瞬間を静かに待つ。自然に対し、人間ができることはまずそれだけ、心静かに。そして、いざ、求めるものが出現した時に、怒涛の如くシャッターを切る。
それがカメラの楽しみ、人生の生きがいです。
朝霧と朝陽が魅せる幻想世界
尾瀬沼の水面に映る天空の劇場

早朝の尾瀬沼だけが映せる淡いグラデーション。感動のあまり息もつけない。
目の前の光景はそれこそ「絵にも描けない美しさ」。いや違う。カメラマンとしては「写真にも撮り切れない美しさ」と言い換えたい。
美しい朝霧がなぜ尾瀬に出現?
尾瀬は朝霧に最適な環境
尾瀬の湿原は、豊富な水と夜の放射冷却が起こりやすい条件を兼ね備えている。冷えた空気が溜まり、水面からの蒸発によって湿度が高くなりやすい。湿度が高いと空気中に水蒸気が多く含まれているため、わずかな冷却でも飽和状態に達して霧が発生する。
というわけで、尾瀬には幻想的な朝霧が出現し、私たち人間に感動を与えてくれる。貴重な人生の宝物を。

朝霧と朝陽のグラデーション
グラデーションがよくわかるように、三段階に分けてみた。
人間の生の目は意外に物をしっかり見ているらしい。でも蝶はもっと精度のいい眼、紫外線まで見えて、人間よりもはるかに色の識別ができるらしい。さらに動体視力もすごい。あくまで人に聞いた話。蝶が語ってくれたわけではない。
なぜここで蝶の話をしたのかというと、蝶は複眼で、それぞれ小さな視野を任され、そこで見た情報をまとめて行動する。つまり、対象物を分解して眺めながら、食料を探すという優れた機能を持っている。
要するに、漠然と全体を見るより、いくつかに区切ってみることで、よりグラデーションが見えてくる。
白黒のグラデーションで試したことがある。グレーを見分けるときにこの分割方式を取ると、微妙な差が認識できた。
また、淡いこのようなグラデーションは、温暖湿潤気候に住む人々が好む。一方、赤道直下の人々は強烈な色、コントラストのある配色を好む。強い日差しの中では、明暗がはっきりしている。その中で淡い色は埋もれてしまうからという説もある。
もしかすると、朝霧のような優しいグラデーションが美しいと思える日本人は幸せなのかもしれません。

朝陽が輝く瞬間
②日の出は何時かを調べておく。
尾瀬の9月の日の出は午前5時半頃になる。ただし、時間は一日毎に変化していく。山小屋のあるじに聞いておくと確実。しかも、会話のネタになり、山の雑談に発展し、楽しい時が共有できる。
一瞬、宝石箱の中?
待ってました! 主役のご登場。

朝日が顔をひょっこり出した瞬間は、あっという間に過ぎ去り、霧は、またたく間に消え去った。
霧が晴れて、尾瀬の風景が徐々に出現
前景の木道が尾瀬の個性
山小屋のあるじがトツトツと語ってくれた。
「木道は最初、湿地帯を歩くのが大変だったので、歩き易くするためだった。しかし、いつしか、湿地帯の植物を登山客から守るための通路、しかも木道といったら尾瀬というシンボルにもなったようだな。塞翁が馬とはこのことかな」

霧が晴れるのはなぜ?
難しい質問。
でも、理系に強い私としては、ここで逃げられない。AIに負けてはいられない。
「朝日が顔をだし、その光が地表を温かくする。すると、地表の温度が高くなり、飽和水蒸気量が増加して、目に見える状態の小さな粒状の水滴が、再び元の透明な水蒸気に戻る。これが、霧が消えていく理由」
この理論、たしか中学1年か2年の時に学んだ気がする。
実は、AI_Geminiのチャットで相談したところ、なんと韓国語やロシア語が混じっていて、何を説明してくれたのか?肝心なところが日本語ではなかった。有料なら、きちんと日本語で説明してくれるらしい。無料Geminiはまだテスト中!ということで、今回は、自分の脳からぐいぐい引っ張り出した。(笑)
朝霧の晴れた尾瀬の写真

新しい一日の始まり
尾瀬の美:山容が沼に反映。まさに奇跡の一枚。

尾瀬の燧ヶ岳
尾瀬沼がなぜできた?
尾瀬沼は燧ヶ岳が噴火して、その時に流れた溶岩が沼尻川をせき止めてできた湖といわれる。それ以前は、平坦な普通の高原だった。ところが、川がせき止められたことで、水が溜まって、それが今の尾瀬沼ではないだろうか? という説が主流。
もちろん、他の説もある。燧ヶ岳の南側が崩落して、それがせき止めたのではないだろうか?という説。どれが正しいのかはもう少し調査時間が必要。

燧ヶ岳に登る
燧ヶ岳に登る人は、少し覚悟する必要がある。尾瀬沼での気象条件をそのまま信じないほうがいい。
私が登った時は、尾瀬沼周辺を歩いていた時と環境がまるで違っていた。山頂付近の風の強さは半端じゃない。しかもごつごつした岩場はゆっくり休む場所ではない。さらに正午過ぎから雷鳴が下から聞こえてきた。山の雷は本当に恐ろしい。急ぎ下山した。
燧ヶ岳に登る人にご忠告。かなりキツイ。ムリしないこと。ダメだと思ったら、途中で引き返そう。尾瀬は逃げませんから。

なぜ尾瀬を愛するのか?

尾瀬がなぜ好き?
理由なんてない。とにかく好き。
恋人が答えるような回答。あなたのすべてが好き。
そうです。尾瀬が好きな人は、尾瀬ヶ原だろうが、尾瀬沼だろうが、とにかく尾瀬が大好き。
広大な湿原に水芭蕉やワタスゲ、ニッコウキスゲなど咲き誇る。風景も素晴らしい。広々と視野が広がり、心も体もリラックスできる。解放感、自由な世界が目の前に広がる。
登山家は、山があるから登る。
写真家はそこに美があるから撮る。
尾瀬の澄み切った空に浮かぶ燧ヶ岳と至仏山の姿が大好きという人、木道を歩くのがステキ!という人、様々です。
「四の五の言わずに、一度登ってみるといい。様々な植物との出会い、燧ヶ岳の山頂から眺める尾瀬沼の美しさに感銘するはず」
元、大学のワンダーフォーゲル部にいた知人がそう言っていた。
美というのは、その人それぞれ、百人百様。
Mr.Soutanの願い
尾瀬が魅せる四季折々の光景をずっと撮り続けたい。
偶然できた自然の奇跡、尾瀬の美を大切に守りたい。
尾瀬の朝霧は感動の連続。こんな体験はめったにない。写真をバチバチ撮りまくった。
フィルムでなく、デジタルだからできる撮影方法。映画もデジタルになったおかげで製作費がだいぶ助かっているらしい。
このブログは毎月1日と15日に更新。
お楽しみにお待ちください。
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尾瀬沼に行ったことがあります。美しい風景には心がすっかり癒されました。あなたにも尾瀬はお勧め。その際のお供にいかがですか?
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