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バラの美を写真で撮る

バラには人間を引き付ける魅力が沢山あります。色・形・香り、そして人間と共に歩んだ長い歴史。そんなバラの魅力を写真で再現。皆様に楽しんで頂けたら幸いです。

バラの歴史

バラの歴史は古い。以前クレタ島に旅した時、壁画にも刻まれていた。外見の美しさだけでなく、香りも魅惑的なために、クレオパトラにも深く愛された。中世になるとイギリスで薔薇戦争が勃発。王位継承をめぐっての赤バラランカスター家白バラヨーク家の争い。終結後、赤バラと白バラを組み合わせて紋章にした。それがきっかけでバラはイギリスの国花の一つになった。そんな世界中で愛されるバラを撮影。ぜひご覧ください。

薔薇戦争1455 年~1485年)主な原因:イングランド王位の継承権を巡るランカスター家とヨーク家の対立。ヘンリー7世になって終結。平和締結の祈りを込めてバラの紋章が作成された。

バラの生育区分

生育によっておおまかに分類されるバラ

木立性(ブッシュ・ローズ)

バラが支柱なしで自立して育つタイプ

01 グラハム・トーマス

グラハム・トーマス
photo by Mr.Soutan

02 メアリー・レノックス

メアリー・レノックス
photo by Mr.Soutan

つる性(クライミング・ローズ)

枝が長く伸びてツル状になるタイプ

03 マリー・ヘンリエッテ

つる性(クライミング・ローズ)
マリー・ヘンリエッテ
photo by Mr.Soutan

つるバラがフェンスや門に咲いているのを見ると感激

シュラブ(半つる性、低木性)

木立性バラとつるバラの中間タイプ

04 メアリー・ローズ

シュラブ(半つる性、低木性)
メアリー・ローズ
photo by Mr.Soutan

また咲き方から一季咲き四季咲きなどにも区分できる。

写真術:バラの上手な撮り方

Mr.Soutan:花を撮るコツ

①構図:黄金比を活用
②光:自然光を生かす
③視点:高さを意識する

①構図:黄金比を活用

黄金比(golden ratio)とは、1:(1+√5)/2という比率。おおよそ「1:1.618」

①構図:黄金比を学ぶ

黄金比とは……

人がもっとも美しいと感じる比率のこと。
絵やデザイン、写真を撮るときに欠かせない基本構図。この比率を意識するとかなり良い構図になる。

最初にこの比率を考えたのはギリシャの哲学者、エウドクソス。次にユークリッド。天才レオナルド・ダ・ビンチも絵を描きながら自然界からこの比率を得た。
『花びらや葉は黄金比によって存在位置を決めている。より効率的に光合成をするために、黄金比でお互いの位置を譲り合うことで、満遍なく、光を受けて栄養分に蓄えて、成長していく』
レオナルド・ダ・ビンチは深い観察力で、この比率の美しさに気が付き「神聖比率」と名付けて重要視していた。やはり天才は物事を見る視点が一般人と異なる。
写真にもこの比率を活用して、バランスを取る目安にすると最適な構図になる。

黄金比を意識して撮影

05 ランドラ

photo by Mr.Soutan

バラの花の形を素敵に写す

剣弁咲き(けんべんざき)

剣弁咲きのバラは、花びらの先が細く尖っているのが特徴。まるで剣の先のように、シャープでスタイリッシュなイメージ。美しい花びらをよりスッキリ撮ることにフォーカス!

06 ロブロイ

シンプルで洗練された雰囲気の花姿

ロブロイ
全体的にすっきりとして洗練された雰囲気の花姿
photo by Mr.Soutan

07 ハニーブーケ

青い空を広くとることで、平和や希望への祈りを表現できる

青い空を広くとることで、平和や希望を表現できる
photo by Mr.Soutan

08 シルエット

気品ある姿を、背景の濃い緑が引き締め、さらに美しく撮る

シルエット
気品ある姿を背景の濃い緑でさらに美しく撮る
photo by Mr.Soutan

丸弁咲き(まるべんざき)

09 クイーンエリザベス

まろやかなカーブを描いた花びらを強調

クイーンエリザベス
丸く、緩やかなカーブを描いた花びらを強調
photo by Mr.Soutan

10 イングリッシュローズ

優雅で可愛らしい姿をやや上から撮影

イングリッシュローズ
優雅で可愛らしい姿をやや上から撮影
photo by Mr.Soutan

11 フロリバンダ

ダークな背景の中でより立体的な姿を浮かび上がらせる

フロリバンダ
ダークな背景の中でより立体的な姿を浮かび上がらせる
photo by Mr.Soutan

②光:自然光を生かす

自然光を生かし、花びら一枚一枚の丸みと柔らかい質感を表現する。もしかすると、未来のカメラは香りまで取り込むことができるかもしれない。

12 バレンシア

花びらがふっくら、丸く重なっている

バレンシア
花びらがふっくらとして、丸く重なっている
photo by Mr.Soutan

13 モーリスユトリロ

パリの風景をたくさん描いたフランス近代画家モーリス・ユトリロをイメージして名付けたおしゃれな花姿。優雅でクラシカルな雰囲気を自然光でよりすてきに撮影。

モーリスユトリロ
パリの風景をたくさん描いたフランス近代画家モーリス・ユトリロをイメージして名付けたおしゃれな花姿
photo by Mr.Soutan

ロゼット咲き(小さなバラ)

ロゼット咲きのバラは、たくさんの花びらが中心に向かって渦巻き状に重なり合って咲くのが特徴。まるで小さなバラの集まりのようにも見え、クラシカルで豪華な印象を与える。

14 パパメイアン

赤いゴージャスな花びらが何層にも重なり、中心が盛り上がっている様子を撮る

パパメイアン
花びらが何層にも重なり、中心が盛り上がっている様子を撮る
photo by Mr.Soutan

15 ヨハネパウロ2世

重厚さと気品が漂っている瞬間の美を撮る

ハネパウロ2世
花びらが幾重にも重なり、アンティークな雰囲気がある
photo by Mr.Soutan

16 イングリッシュローズ

アンティークな魅力を黄金比を活用し、さらに美しく撮影する

イングリッシュローズ
アンティークな雰囲気を黄金比を考えて撮影する
photo by Mr.Soutan

カップ咲き

17 ピエール・ド・ロンサール

花全体が丸みを帯びたカップのような花姿。3分割構図を使って、躍動感と奥行き感を表現。

ピエール・ド・ロンサール
花全体が丸みを帯びたカップのような形に咲く
3分割構図を使って、躍動感と奥行き感を表現
photo by Mr.Soutan

18 ガーデンローズ

花びらが内側に巻き込むように咲いている姿がカップそのもの

ガーデンローズ
花びらが内側に巻き込むように咲いている姿がカップそのもの
photo by Mr.SoutanSONY DSC

19 プリンセス ドゥ モナコ

優雅で可愛らしい雰囲気を強調

プリンセス ドゥ モナコ

優雅で可愛らしい雰囲気を強調
photo by Mr.Soutan

ポンポン咲き

小さく丸い花が密集して咲くのが特徴。小さなボールやボタンのように見え、可愛らしくて愛らしい印象

20 ロサ・ダマスケナ

優良な香りで知られて、香水の成分にもなっている

ロサ・ダマスケナ
優良な香りで知られて、香水の成分にもなっている
photo by Mr.Soutan

21 ランブラーローズ

花びらが集まり、ふわふわした丸いボールのように見える

ランブラーローズ
花びらが集まり、ふわふわとした丸いボールのように見える
photo by Mr.Soutan

22 ダマスクローズ

花房になってたくさんの花が空に向かって楽しそう

ダマスクローズ
花房になってたくさんの花が空に向かって楽しそう
photo by Mr.Soutan

色による分類
(赤:白:黄:ピンク:オレンジ:複色)

23 ミスターリンカーン

赤いバラの花言葉:情熱的・美・熱烈な恋

ミスターリンカーン
赤いバラの花言葉:情熱的・美・熱烈な恋
photo by Mr.Soutan

24 アイスバーク

白バラの花言葉:純粋・清純・尊敬・約束

アイスバーク

白いバラの花言葉:純粋・清純・尊敬・約束
photo by Mr.Soutan

25 ゴールデン・メダリオン

黄色いバラの花言葉:友情・献身・平和

ゴールデン・メダリオン

黄色いバラの花言葉:友情・献身・平和
photo by Mr.Soutan

26 イングリッシュローズ

ピンクのバラの花言葉:感謝・上品・優美

イングリッシュローズ
ピンクのバラの花言葉:感謝・上品・優しさ
photo by Mr.Soutan

③視点:高さを意識する

バラの種類によっては、空高く伸びて咲いている。野外での撮影。空を背景にすることでバラの美しさをさらにパワーアップできる。

27 ローズスパルタン

オレンジの花言葉:絆・元気・熱意

ローズスパルタン
オレンジの花言葉:絆・元気・熱意
photo by Mr.Soutan

28 マダムビオレ

紫のバラの花言葉:尊敬・気品・神秘的

マダムビオレ

紫のバラの花言葉:尊敬・気品・誇り・神秘的
photo by Mr.Soutan

29 リオサンバ

黄色から赤色のグラデーションの複色。不思議な色合い。開花中にどんどん表情を変えていく。まるで踊っているように見える。

リオサンバ

黄色から赤色のグラデーションの複色。不思議な色合い。
開花中にどんどん表情を変えていく。まるで踊っているよう。
photo by Mr.Soutan

30 ノスタルジー

内側から白、ピンク、赤と見事なまでの変化に圧倒される

ノスタルジー
内側から白、ピンク、赤と見事なまでの変化に圧倒される
photo by Mr.Soutan

カメラの進化に感謝

美しいバラを見ていると、どのバラにも愛着を感じて撮りたくなってしまう。カメラの進歩により、アナログから、デジタルに変化。フィルムでなく、パソコンでデータが保存できることにとても感謝している。

バラを県花にしている県

茨城県・富山県・福井県・岐阜県・静岡県・長崎県

  • 茨城県:いばらきフラワーパークが有名
  • 富山県: 県民に愛される花として制定
  • 福井県: 美しい花姿が県民から好評
  • 岐阜県: 温暖な気候がバラの栽培に適合
  • 静岡県: 伊豆のバラ園などが有名
  • 長崎県: グラバー園など歴史的な所に咲く

国花としてはブルガリアのダマスクローズが選ばれている。またイギリスもバラは国花の一つに認定されている。

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秋の尾瀬の美を撮る

秋色の尾瀬は、都会で疲れた心を優しく解きほぐす魔法使い。心奪われる秋の尾瀬、燃えるような赤や黄色に染まった木々、草紅葉の絨毯、全てが特別な存在感で歓迎してくれます。

贅沢で穏やかな時間を過ごす

秋色の尾瀬の美
photo by Mr. Soutan

尾瀬の魅力

開放的で、心に安らぎを与えてくれる。

空と自分が一体になったような、自然界とのつながりが感じられる。遠くに見える空が自分の頭上に続いていると思える。時の流れを忘れさせてくれる。

開放的で、心に安らぎを与えてくれる。
photo by Mr. Soutan

Mr.Soutan写真術講座

Mr.Soutan写真術:3つのコツ

① 尾瀬の風景はパノラマが最適

② 一点を強調、フォーカスする

③ リフレクションにチャレンジ

秋の装いでお出迎え

美しい秋色絨毯

① 尾瀬の風景はパノラマが最適

前景の草紅葉と中景に広がる木々の紅葉、遠景の山並みをバランスよく配置。しかも、登山客を入れることで、ここは尾瀬と主張できる。

尾瀬の風景はパノラマ構図が最適
photo by Mr. Soutan

尾瀬の湿地帯はおよそ8000年の歴史がある。長い年月をかけて今の広い湿地帯が形成された。この貴重な空間を人類の身勝手で破壊してはいけない。写真を撮りながらそんなことを思った。

ナナカマドの紅葉

ナナカマドは6月から7月にかけて白い愛らしい花を枝先に咲かせる。アジサイの一種かなと思うぐらい形が似ている。そして、秋、9月頃から、あの強烈な赤い実が人目を惹き始める。
だが、美味しそうなこの赤い実を食べてはいけない。ソルビン酸が入っているため、腐らないが、多少痺れる。しわしわになってやっと小鳥も食べ始める。果樹酒として実を利用するのはOK。

北海道に行った時、函館で見た記憶があるが、尾瀬の沼山峠で多く見られる。

ナナカマド
photo by Mr. Soutan

ナナカマドの名前の由来は「七回かまどに入れても燃えない」とされているが、尾瀬のビジターセンターのスタッフさんの話では「とてもよく燃えますよ」との返答だった。
「しっかり乾燥させれば、ストーブでよく燃えて、しかも長持ちしますよ」と答えてくれた。

確かに乾燥が不十分な生木の状態では、火をつけようとしても、硬く、緻密で火はすぐにつかない。それで昔の人はナナカマドと名付けたのかもしれない。適切に乾燥させたナナカマドは実は硬いゆえに火持ちがよく、安定した火力を維持できる。

9月末の尾瀬はすでに冬の寒さが忍び寄ってきて、夜はストーブが必要になる。ナナカマドは大切な燃料。カメラの被写体だけの存在ではないと苦笑いした。

美しく輝くナナカマド、でも超まずい!

ナナカマドにフォーカスして、背後はぼかす。ナナカマドの実の美しさを最高に表現できた宝石のような一枚。

ナナカマド
photo by Mr. Soutan

ナナカマドの花言葉は「慎重、賢明、用心」バラ科の落葉高木で樺太や北海道などの寒冷地を好む。秋の木の実で一番まずい。といっても食べたことがない。もちろん北海道の民宿のおかみさんに聞いた話。子供には絶対食べさせないと強調していた。

「でも」とおかみさん。「私にはいいかも。ダイエットできるから」と笑顔で話してくれた。死ぬほどの毒ではないようだ。

シラカンバとダケカンバの違い

白樺(シラカンバ)とダケカンバ

白樺(シラカンバ)とダケカンバの違いは、白樺の樹皮は白っぽく、あまりめくれない。だが、ダケカンバの樹皮は肌色っぽく、ペラペラとよく剥ける。
それから、一番の違いは標高差。約1500mが境界線。低いところは白樺(シラカンバ)、高いところはダケカンバ。ただし、尾瀬では両者が入り組んでいる。

シラカンバをフォーカスした構図
photo by Mr. Soutan

② 一点を強調、フォーカスする

美しい白樺(シラカンバ)をフォーカスした構図。秋の尾瀬の風景を背景に、前景左側に白樺を配置する。こんな構図にも勇気を持ってチャレンジしよう。しかも、ローアングルで、前景の紅葉と白樺を撮り、遠近感をより表現する。

リフレクション写真

尾瀬沼のリフレクションとは、風のない静かな日の尾瀬沼が、鏡のように周囲の風景を映し出す現象をいう。
空の青さ、雲の白さ、雄大な燧ケ岳や周囲の木々、秋の紅葉などの映り込みを撮影した写真。
180度回転した風景、いや、上下反転したもう一つの風景。
写真好きの人間には、これぞまさにグッドタイミング!

尾瀬に行ったら、必ず水面を見て、そこにリフレクション風景があるかどうか確かめよう。チャンスは現場に行ってつかもう。

③ リフレクションにチャレンジ

リフレクションとは、風のない日の水面が、鏡のように周囲の風景を映し出す現象をいう。
美しいリフレクションに出会ったときの感動は言葉で言い表せない。水面は宝の山かも。

リフレクション1

リフレクション1
photo by Mr. Soutan

リフレクション2

リフレクション2
photo by Mr. Soutan

これからも美しいリフレクションを見つける旅を続けよう。

いいねが取れる写真スポット

水面に映る空と雲と燧ケ岳

尾瀬沼に美しく反映する秋の風景

尾瀬の魅力は、単なる風景の美ではなく、そこに息づく自然の力強い生命力。それはまた来ようと思わせる特別な場所だから。

尾瀬沼に美しく反映する秋の風景
photo by Mr. Soutan

草紅葉のカーペット

雄大な燧ケ岳の姿は尾瀬を象徴する

足元の草木が色づき、まるで豪華なカーペットのよう。さらに中景の尾瀬沼、遠くの燧ケ岳(標高2,356m)がより奥行き感を与えてくれる。この一枚の写真は私の心の永遠の記念品。

草紅葉のカーペット
遠くの燧ケ岳が風景に奥行きを与えてくれる。
photo by Mr. Soutan

湖面に反映する紅葉

絵葉書にしたいHoliday Memories

湖面に反映する紅葉の美しさ。 1枚の絵葉書にしたいスポット。秋色のハーモニーを奏でているような自然豊かな風景。この一枚の写真を見るだけで幸せを感じる。

面に反映する紅葉の美しさ。Holiday Memories
photo by Mr. Soutan

秋の尾瀬の注意点

秋は人の賑わいも終わり、ゆったりした登山が楽しめる。でも、注意も必要です。

天気と服装

秋の尾瀬は朝晩の寒暖差が大きいので、重ね着ができる服装が大切。できたら、防寒、防風ができるアウター、インナーは吸湿速乾性のもの。靴は歩きなれた登山用の靴。

途中であったご婦人。つま先が割れてパカパカしている。それでは下山はムリ。持っていたゴムひもを渡し、応急措置で山小屋まで行って、何か対策をしてもらってくださいと別れた。

その方曰く、10年履いていなくて、靴箱に保管していた。数回しか履いていないので、まさか割れてしまうとはと嘆いていた。

登山靴は新品でも10年経過すると確実に劣化する。履いているかどうかではなく、空気中にあるだけで劣化する。必ず、登山靴は出発前に確認しておこう。一番大切な足元を守るため。

木道は滑りやすい

雨上がりの木道は滑りやすい。それでなくても人が沢山歩くため、木道は傷んでいる。
「滑って転んで大分県」などと冗談を言っている場合ではない。転倒は骨折の予備軍、捻挫も怖い。木道を歩いていれば、迷子にならないかもしれないが、ケガは防ぎようがない。
ゆっくり、マイペースで歩いて行こう。

木道は滑りやすい
photo by Mr. Soutan

靴や持ち物の準備

山に行くときは十分準備していこう。帽子、手袋、雨具、GPS、応急セット、バナナのような簡易食品、懐中電灯、ビニール袋、飲み物など。

体調管理

周囲の人との歩調を合わせるのは大切だが、ムリのないペースで歩く。熱があったら、すぐ引き返す。

山は美しい。しかし、自然はそう甘いものではない。簡単そうに見える尾瀬も実は危険がいっぱい。熊も周囲をうろうろしている。人間は大きな自然の中では実に弱い生き物。山では人間はとても無力だと自覚して登ろう。

その通り!
どこの世界にもリスクはあるが、リスク以上に感動があるのが尾瀬の魅力といえる。

毎月1日と15日に更新します。お楽しみに!

8月1日と9月1日の尾瀬のブログで使った写真をユーチューブで動画にしましたので、ご覧頂ければ幸いです。

[美しい尾瀬の写真ギャラリー]

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尾瀬の魅力の後は、楽天の魅力をご紹介します。
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朝霧の尾瀬の美を撮影

朝霧に包まれた尾瀬は、人間に「芸術とは何ぞや」「美とはいかなるものか?」などという疑問を吹き飛ばす威力がある。

感動を伝える言葉が出ない。絵にも描けない。写真で撮りたいが、目の前の奇跡の映像をただ息をのんで見ているだけ。

ここでスライドショーをご覧ください。
実際に行って体験し、肌で感じ取れるが存在します。

尾瀬の神秘的な朝霧の写真

 朝霧と朝日が織りなす透明感のあるグラデーション

朝霧と朝日が織りなす透明感のあるグラデーション
Photo by Mr. Soutan

夜の気配がまだ漂っている

山小屋の起床は早い。午前4時ごろから物音が聞こえてくる。しかし、それよりも早く目覚めてしまった。
尾瀬の朝霧。昨夜はよく晴れ渡っていた。風も穏やか。朝霧が出る条件にピッタリあった気象条件。こんな朝を待っていた。

さて、身支度して、カメラの準備。重いカメラを首にかけて、いざ出陣。この苦労が実りますように。朝ごはんなどは後でいい。

午前5時50分。周囲は真っ暗

でも山際が少し明るい。枕草子を思い出してしまう。
「山ぎは、少しあかりて……」

 ほとんど見えないにもかかわらず、自然の呼吸のようなものを感じることができた。これから起こるだろうと予想できる自然に期待を膨らませながら、カメラをぐっと構えた。前景はほとんど暗く、都会のような光は全くない闇の世界が広がっていた。

尾瀬の夜明け前
Photo by Mr. Soutan

Mr.Soutan写真術:3つのコツ

①太陽が昇る場所を調べておく

②日の出は何時かを調べておく。

③準備は時間をかけ、シャッターは素早く。

①太陽が昇る場所を調べておく

日の出場所が重要。前の日に自分の足で確かめたり、山小屋のスタッフに聞いておく。
しかも少し早めに出掛けると目がなじんでくる。しょぼしょぼの目ではいい写真が撮れない。それでなくても老眼?(笑)

静けさの中に小鳥のさえずり

 無音の静寂とはちょっと違う自然の静けさ。チッチッ、チーチー、キョロン。小鳥たちの会話かな?

静けさの中に小鳥のさえずり
Photo by Mr. Soutan

静けさと感動は心に響く体験

静けさは心の内面に考える余白を与え、自分の心を豊かにしてくれる。感動は何かに強く心を動かされ、その体験で、自分が変わる。どちらも心を揺さぶるという共通性がある。

写真も同じ。撮りたい被写体の前でその瞬間を静かに待つ。自然に対し、人間ができることはまずそれだけ、心静かに。そして、いざ、求めるものが出現した時に、怒涛の如くシャッターを切る。
それがカメラの楽しみ、人生の生きがいです。

朝霧と朝陽が魅せる幻想世界

尾瀬沼の水面に映る天空の劇場

尾瀬沼の水面に映る天空の劇場
Photo by Mr. Soutan

早朝の尾瀬沼だけが映せる淡いグラデーション。感動のあまり息もつけない。
目の前の光景はそれこそ「絵にも描けない美しさ」。いや違う。カメラマンとしては「写真にも撮り切れない美しさ」と言い換えたい。

美しい朝霧がなぜ尾瀬に出現?

尾瀬は朝霧に最適な環境

尾瀬の湿原は、豊富な水と夜の放射冷却が起こりやすい条件を兼ね備えている。冷えた空気が溜まり、水面からの蒸発によって湿度が高くなりやすい。湿度が高いと空気中に水蒸気が多く含まれているため、わずかな冷却でも飽和状態に達して霧が発生する。

というわけで、尾瀬には幻想的な朝霧が出現し、私たち人間に感動を与えてくれる。貴重な人生の宝物を。

尾瀬は朝霧に最適な環境
Photo by Mr. Soutan

朝霧と朝陽のグラデーション

グラデーションがよくわかるように、三段階に分けてみた。
人間の生の目は意外に物をしっかり見ているらしい。でもはもっと精度のいい眼、紫外線まで見えて、人間よりもはるかに色の識別ができるらしい。さらに動体視力もすごい。あくまで人に聞いた話。蝶が語ってくれたわけではない。

なぜここで蝶の話をしたのかというと、蝶は複眼で、それぞれ小さな視野を任され、そこで見た情報をまとめて行動する。つまり、対象物を分解して眺めながら、食料を探すという優れた機能を持っている。
要するに、漠然と全体を見るより、いくつかに区切ってみることで、よりグラデーションが見えてくる。

白黒のグラデーションで試したことがある。グレーを見分けるときにこの分割方式を取ると、微妙な差が認識できた。

また、淡いこのようなグラデーションは、温暖湿潤気候に住む人々が好む。一方、赤道直下の人々は強烈な色、コントラストのある配色を好む。強い日差しの中では、明暗がはっきりしている。その中で淡い色埋もれてしまうからという説もある。

もしかすると、朝霧のような優しいグラデーションが美しいと思える日本人は幸せなのかもしれません。

グラデーションがよくわかるように、三段階に分けてみた
Photo by Mr. Soutan

朝陽が輝く瞬間

②日の出は何時かを調べておく。

尾瀬の9月の日の出午前5時半頃になる。ただし、時間は一日毎に変化していく。山小屋のあるじに聞いておくと確実。しかも、会話のネタになり、山の雑談に発展し、楽しい時が共有できる。

一瞬、宝石箱の中?

待ってました! 主役のご登場。

待ってました! 主役のご登場。
Photo by Mr. Soutan

朝日が顔をひょっこり出した瞬間は、あっという間に過ぎ去り、霧は、またたく間に消え去った。

霧が晴れて、尾瀬の風景が徐々に出現

前景の木道が尾瀬の個性
山小屋のあるじがトツトツと語ってくれた。
木道は最初、湿地帯を歩くのが大変だったので、歩き易くするためだった。しかし、いつしか、湿地帯の植物を登山客から守るための通路、しかも木道といったら尾瀬というシンボルにもなったようだな。塞翁が馬とはこのことかな」

霧が晴れて、尾瀬の風景が徐々に出現
Photo by Mr. Soutan

霧が晴れるのはなぜ?

難しい質問。

でも、理系に強い私としては、ここで逃げられない。AIに負けてはいられない。

「朝日が顔をだし、その光が地表を温かくする。すると、地表の温度が高くなり、飽和水蒸気量が増加して、目に見える状態の小さな粒状の水滴が、再び元の透明な水蒸気に戻る。これが、霧が消えていく理由」

この理論、たしか中学1年か2年の時に学んだ気がする。

実は、AI_Geminiのチャットで相談したところ、なんと韓国語やロシア語が混じっていて、何を説明してくれたのか?肝心なところが日本語ではなかった。有料なら、きちんと日本語で説明してくれるらしい。無料Geminiはまだテスト中!ということで、今回は、自分の脳からぐいぐい引っ張り出した。(笑)

朝霧の晴れた尾瀬の写真

朝霧の晴れた尾瀬の写真
Photo by Mr. Soutan

新しい一日の始まり

尾瀬の美:山容が沼に反映。まさに奇跡の一枚。

尾瀬の美:山容が沼に反映。まさに奇跡の一枚。
Photo by Mr. Soutan

尾瀬の燧ヶ岳

尾瀬沼がなぜできた?

尾瀬沼は燧ヶ岳が噴火して、その時に流れた溶岩が沼尻川をせき止めてできた湖といわれる。それ以前は、平坦な普通の高原だった。ところが、川がせき止められたことで、水が溜まって、それが今の尾瀬沼ではないだろうか? という説が主流。

もちろん、他の説もある。燧ヶ岳の南側が崩落して、それがせき止めたのではないだろうか?という説。どれが正しいのかはもう少し調査時間が必要。

尾瀬沼はなぜうまれたのか
Photo by Mr. Soutan

燧ヶ岳に登る

燧ヶ岳に登る人は、少し覚悟する必要がある。尾瀬沼での気象条件をそのまま信じないほうがいい。

私が登った時は、尾瀬沼周辺を歩いていた時と環境がまるで違っていた。山頂付近の風の強さは半端じゃない。しかもごつごつした岩場はゆっくり休む場所ではない。さらに正午過ぎから雷鳴が下から聞こえてきた。山の雷は本当に恐ろしい。急ぎ下山した。

燧ヶ岳に登る人にご忠告。かなりキツイ。ムリしないこと。ダメだと思ったら、途中で引き返そう。尾瀬は逃げませんから。

燧ヶ岳に登る
Photo by Mr. Soutan

なぜ尾瀬を愛するのか?

尾瀬がなぜ好き?

理由なんてない。とにかく好き
恋人が答えるような回答。あなたのすべてが好き。

そうです。尾瀬が好きな人は、尾瀬ヶ原だろうが、尾瀬沼だろうが、とにかく尾瀬が大好き。

広大な湿原に水芭蕉やワタスゲ、ニッコウキスゲなど咲き誇る。風景も素晴らしい。広々と視野が広がり、心も体もリラックスできる。解放感、自由な世界が目の前に広がる。

登山家は、山があるから登る。
写真家はそこに美があるから撮る。

尾瀬の澄み切った空に浮かぶ燧ヶ岳と至仏山の姿が大好きという人、木道を歩くのがステキ!という人、様々です。

「四の五の言わずに、一度登ってみるといい。様々な植物との出会い、燧ヶ岳の山頂から眺める尾瀬沼の美しさに感銘するはず」

元、大学のワンダーフォーゲル部にいた知人がそう言っていた。
というのは、その人それぞれ、百人百様。

Mr.Soutanの願い

尾瀬が魅せる四季折々の光景をずっと撮り続けたい。
偶然できた自然の奇跡、尾瀬の美を大切に守りたい。

尾瀬の朝霧は感動の連続。こんな体験はめったにない。写真をバチバチ撮りまくった。
フィルムでなく、デジタルだからできる撮影方法。映画もデジタルになったおかげで製作費がだいぶ助かっているらしい。

このブログは毎月1日と15日に更新。
お楽しみにお待ちください。

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尾瀬沼に行ったことがあります。美しい風景には心がすっかり癒されました。あなたにも尾瀬はお勧め。その際のお供にいかがですか?

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美を撮る:合歓の花

写真を撮る事は自然の中の美を求める冒険

夏の花:合歓の花

夜に花開く合歓の花
photo by Mr.Soutan

写真を撮る心構え
美しいと思うことは、物の美しい姿を感じる事。美を求める心とは、物の美しい姿を求める心。

写真の魅力
あまたある自然現象の中で、美しいところを見つけようとし、美しいところが見つかり、美しく表現出来た時、無上の喜びを感じる。それが写真の最大の魅力といえる。

7月15日の誕生花

この花の咲く時期は夏。6月から7月頃にかけて細い糸を扇子に巻き付けたように咲き始める。それで7月15日と決められたのかもしれない。しかし、とても背が高いので、花の咲く時期を見逃してしまう。少し距離感がある存在。ちょっと残念。

花は扇を広げたような緩やかな三角形、葉は鳥の羽根のように並んでいる。夕方から葉が垂れ下がり、葉が合わさって閉じ、眠ったように見えることから、ねむの木といわれる。
オジギソウと異なるのはタッチしてもお辞儀をしないこと。

photo by Mr.Soutan

合歓の花言葉

「胸のときめき」「夢想」「安らぎ」「歓喜」「創造力」

すてきな花言葉に合うような雰囲気を演出。背景をぼかしたりするだけで無想感を表現できる。

花言葉
photo by Mr.Soutan

マンションの3階ぐらいの高さがある合歓の木が多いため、淡い紅白色のふわふわした花を撮るのはかなり難しい。なので、手強い被写体にチャレンジする勇気が大切。だからこそ、うまく撮れた時の喜びは人生最高の瞬間かも。

Mr.Soutan写真術

Mr.Soutan写真術:3つのコツ

①シャッタースピードを遅めにする

②望遠レンズを被写体に近づける

③スマホで撮影:暗い部分をタップ

①シャッタースピードを遅めにする

シャッタースピードを遅めにすることでピントや露出がきちんと固定される。とにかく急ぎ過ぎないでじっくり構えよう。

高さ10m以上になる落葉高木

松尾芭蕉の奥の細道
photo by Mr.Soutan

高層マンションと背比べ

高層マンションと背比べ
photo by Mr.Soutan

日本の文化で花開く

松尾芭蕉の奥の細道

松尾芭蕉の「奥の細道」の中の一句。

象潟や 雨に西施が ねぶの花」

象潟は美人が物思いに耽っているようだと中国周時代の傾城の美女、西施への想いを重ねた句。

中国の古代四大美人の一人西施。以前この美女を調べたことがあった。

西施は実は薪売りの娘。川で洗濯をしている時に見つけられたそうだが、兵が心奪われたのは、彼女の足、見事なダイコンだったらしい。本人はそれを負い目に感じていたようだ。最期は袋に包まれて川に投げ込まれたという悲しい人生。

芭蕉は彼女の儚い人生を短い俳句にこめたはず。松尾芭蕉の知識は奥深い。現代人が考える以上に古い文献を読み込んでいたのではないかと思う。

加賀の千代女&与謝蕪村

加賀の千代女&与謝蕪村
photo by Mr.Soutan

加賀の千代女

「そのすがた 人にうつすや ねぶの花」

人の心にまでしみじみと映る美しい姿の合歓の花

加賀の千代女は江戸時代中期の女流俳人。彼女の句で有名な一句
「朝顔や 釣瓶とられて もらひ水」

与謝蕪村

「雨の日や まだきにくれて ねむの花」

俳人であり、画家としても有名。生まれは大阪。絵の修業をしてから、江戸の北部、現在の茨城県や栃木県などを転々としながら仕事として絵を制作。その後、京都に落ち着く。その間、俳句は趣味で始めていた。

絵が専業で、俳句は趣味? しかし、彼の俳句には色彩が生きている。やはり絵を描いている中で、美的センスを磨いたのだと思う。68年の生涯で3000以上の句を発表した。

画家の目で見て、俳人として文字で表現。両者が見事に融合して多くの作品を生み出した。大谷翔平選手のような天才二刀流。

②望遠レンズを被写体に近づける

望遠レンズを近づけることで周囲もぼける。
背景の色は花を引き立てる脇役を担っている。(ピンクを引き立てる色は深い青で決まり)

望遠レンズを被写体にぐっと近づく
photo by Mr.Soutan

万葉集の年上女性から

昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓の花 君のみ見めや 戯奴さへに見よ」紀郎女(きのいらつめ)

昼は咲いて夜は恋いつつ眠る合歓の花を私だけが見て楽しんでいてよいものだろうか。あなたも一緒に見なさいよ。

この和歌に年下の大伴家持の返歌。

我妹子が 形見の合歓は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも」大伴家持 

あなたが下さった合歓は花だけ咲いて、多分、実を結ばないのでは。あなたのお心は口先だけで本気ではないのでしょう。

現代にも通じる恋愛事情。そこに合歓の花が登場するなんて。

写真を撮るときはそんなことは忘れて、被写体に集中!

美智子様とまり子さん

美智子上皇后の思い出

美智子様の生家跡の「ねむの木の庭

東京JR五反田駅の東口から徒歩7分。「ねむの木の庭」がある。美智子様のご実家があった正田邸の跡地に2004年に開園された小さな公園。

慈愛あふれる美智子様が高校生の時に詠んだ詩「ねむの木の子守歌」にちなみ、公園はねむの木の庭と命名された。

現在は、合歓の木やシラカバ、エリザベス女王から贈られたプリンセスミチコなどが華やかに彩っている。

美智子上皇后様の生家跡の「ねむの木の庭」
photo by Mr.Soutan

区の公園として大切に保護されている。

宮城まり子のねむの木学園

教え子たちが今も頑張って運営

人気女優だった宮城まり子さんが創設したねむの木学園。子供たちの想像力、可能性を信じ、また障害を持つことで、学校に通学出来ない子供たちに「生きる目標」をとの決意から始まった。

2020年3月に亡くなられたが、今、教え子たちの手で運営を継続している。

彼女の残した言葉

ねむの木にはこんな意味があるの。
「やさしくね、やさしくね、やさしいことは強いのよ」


強くて優しかった宮城まり子さん。

そんな彼女に伝えたい。
「あなたの教え子たちが今も頑張って運営しているよ」

宮城まり子のねむの木学園
photo by Mr.Soutan

③スマホで撮影:暗い部分をタップ

スマホ画面で暗い部分をタップすると太陽のマークが出て、明るい部分が広がる。

一番よく撮れるのは、朝の光と青い空にピンクの合歓の花が咲き乱れる瞬間。これこそまさに美を体験でき、写真にその美を残せるチャンス。スマホで素敵に撮影できますよ。

毎月1日と15日にブログを更新します。お楽しみお待ちください。

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6月の尾瀬の美を撮る

「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空」名曲「夏の思い出」は、1949年にラジオ番組で放送された。その後「尾瀬ってどこ?」「水芭蕉ってなに?」の尾瀬ブームが始まった。

尾瀬は日本列島のほぼ中央に位置し、福島県・栃木県・群馬県・新潟県の4県にまたがり、東京ドーム約8,000個分の広さ。
尾瀬ヶ原の標高が1,400m。尾瀬沼が標高1,660m。
周囲には燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)、会津駒ヶ岳、田代山、平ヶ岳など、さまざまな山があり、そこから流れる水が水芭蕉を生育している。

尾瀬の魅力は湿原の美しさ、高山植物、湖沼などの自然環境、そして学術的価値の高さが挙げられる。

そんな魅力あふれる尾瀬にカメラを担いで登る途中で、若い女の子たちが苦しそうな呼吸で話しているのを耳にした。
「テレビでは広々とした湿地帯を人々が歩いているだけ、しかも平坦な木道を。ちがうじゃん」

尾瀬ヶ原が1,400mの標高とはテレビでは放映していない。平坦な湿地帯を、のんびり歩く姿だけを映像で見ただけの彼女たちはとにかく軽装。認知度が上がったのはいいけど、大切な自然を守る意識がどこまであるのか心配になった。

まあ、それはともかく、重いカメラを持ってきた目的は山々と湿原の風景、そして水芭蕉を撮影するぞと意識を集中させた。

可憐な水芭蕉には誰もが魅了される

水芭蕉の咲く尾瀬を撮影

山や水芭蕉を撮る3つのコツ

Mr.Soutanの写真術:山や水芭蕉を撮る3つのコツ

①風景写真では地平線の位置が大切

②白い花を撮る時はホワイトバランス調整

③水芭蕉を下から撮るので下半身を鍛える

尾瀬の山々

至仏山と燧ケ岳

至仏山(しぶつさん)

①風景写真では地平線の位置が大切

雪化粧がまだ残る標高2,228m 至仏山(花の宝庫)

地平線をどこにとるかは構図の基本。山が主役なら地平線を三分割の一番下の部分にして撮る。

至仏山(しぶつさん)

至仏山から海底の古生物「ウミユリ」の化石が発掘された。 山の鼻ビジターセンターにウミユリの化石が展示してある。興味のある方はぜひ立ち寄って、ご覧ください。

燧ケ岳(ひうちがたけ)

尾瀬ヶ原と尾瀬沼の産みの母?

燧ヶ岳(ひうちがたけ)標高2,356m
福島県の最高峰。数万年前に燧ケ岳の噴火により只見川や沼尻川がせき止められて、尾瀬ヶ原と尾瀬沼が誕生した。

そびえ立つ燧ケ岳

聳え立つ燧ケ岳

なぜ木道がある?

木道は、ぬかるんだ湿原を歩きやすくするために設置された。また、湿原を保護するためにも木道が整備されている。

水芭蕉の群生と燧ケ岳

左側に木道、右側に水芭蕉、その先に白樺や雑木林。遠方に燧ケ岳。風景の中で大切な遠近感を表現するには木道が重要な役目を持っている。奥に行くにつれて細くなる木道。それが山へと向かっている。この構図を得た瞬間、重いカメラが急に軽くなった。

水芭蕉の群生と燧ケ岳

水芭蕉の思い出

水芭蕉の英名は?

こんなに日本では愛され親しまれている水芭蕉。英語に訳すると「white skunk cabbage」(白いスカンクのキャベツ)

水芭蕉が白いスカンクとは何ごと?

アメリカで見た時の水芭蕉は黄色だった。しかも強烈な悪臭。クロユリを思い出して、慌てて鼻を遠ざけた。でも、日本の水芭蕉はほんのり甘い香りがする。世界に水芭蕉はこの二種類といわれても、納得できない自分がいた。確かに形は似ているが。

ちなみに水芭蕉の花言葉は葉に包まれて咲く姿にどこか懐かしさと美しさを感じることから「変わらぬ美しさ」。これは同感。

写真で水芭蕉をご案内

主役が水芭蕉。構図の80%を使う。

写真で尾瀬の水芭蕉をご案内

水芭蕉が群生で咲く理由?

水芭蕉は種を水の流れで運ぶので、川沿いに沿って芽を出す。だから、清流の流れる尾瀬は最適な環境。

水芭蕉が群生で咲く理由?

子孫繫栄は尾瀬の清流のおかげです。

ヒグマの大好物は水芭蕉の根っこ

ヒグマは冬眠する前に水芭蕉の根っこを食べて毒素を排出してから、クマザサを食べ、体内を浄化させてから冬眠。目が覚めると美しい花を咲かせる水芭蕉を愛でる。
「秋になったら、食べてやるぞ! 美味しくなれ!」
ヒグマが思っているかどうかは知らないが。

ヒグマの大好物は水芭蕉の根っこ

水芭蕉の魅力

清流が水芭蕉を育てる

「おぜ」とは「尾瀬」あるいは「生瀬」。「浅い水湖中に草木の生えた状態」つまり湿原の意味。
この湿原は6000~7000年もの長い年月をかけて作られた。尾瀬は東西6㎞・南北2㎞、東京ドーム約8,000個分の広さ。

特にこの湿原は、燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)、会津駒ヶ岳、田代山、平ヶ岳など、さまざまな山で囲まれている水流のど真ん中。それらを源流とする高層湿原。

その清き流れが水芭蕉を育てている。

清流が水芭蕉を育てる

川の流れに沿って水芭蕉が咲いている。

ワクワクしながら、水芭蕉に近づく

木道から降りてはいけない。残念だが、水芭蕉を守るため。

ワクワクしながら、水芭蕉に近づく

白い大きな花びらのような部分は、植物学的には花弁ではなく、葉が変形した苞(ほう)。(ホーニャン!)

②白い花を撮る時はホワイトバランス調整

カメラ、特に一眼レフカメラにはホワイトバランス機能がついている。状況に応じて設定することができる。天気が晴れ、曇り、雨、そして朝か夕方かなども光を調整できる。夕焼けなどもその機能を使うことで、美しい色を再現できる。

でも、面倒だったらオートに設定すればいい。
今のスマホは頭がいい。全てをスマホに任せれば光もピントもOK。しかもスマホは軽い。

白い花を撮る時はホワイトバランス

白い苞と黄色い花。陰影が深みを表現し、光が躍動感を演出。

並んで咲くのは家族だから

水芭蕉の白い部分が苞(仏炎苞)。水芭蕉の花は黄色い棒状の部分。その中におしべとめしべがある。そこから生まれる種が並んで流れて、自分の居場所に落ち着く。新しい家族として。

白い苞はまるで横浜にある帆船日本丸を思い出す。

並んで咲くのは家族だから。

主役は真ん中の水芭蕉。白を美しく撮るには陰影も必要。

「花びらは?」「ごめん、私は苞なの」

花は中心の黄色い円柱状の肉穂花序にあり、花びらの「びら」が肉眼では見えない。花びらは美しいという思い込みから、つい苞に心が奪われてしまう。

「花びらは?」
「ごめん、私は苞なの」
水芭蕉の会話が聞こえてきませんか?

花びらは? ごめん、私は苞なの

水芭蕉の黄色い部分、花びら4枚、めしべ1本、おしべが4本。

③水芭蕉を下から撮るので下半身を鍛える

尾瀬の水芭蕉は背が低く、木道の下で咲いていることが多いので、カメラを地面近くに持っていく必要がある。しかも、標高1,660mの尾瀬ヶ原まで歩いて行ける下半身を鍛えて、体の準備をしておく必要がある。

水芭蕉を下から撮るので下半身を鍛える

ハートフルな水芭蕉。「美しい思い出」「変わらぬ愛」
そんな花言葉にぜひ添えて欲しい一枚です。

自然を守る意義

尾瀬は誰が管理している?

東電HD。尾瀬国立公園は群馬県片品村、福島県檜枝岐村、新潟県魚沼市にまたがり、東電HDは全体の4割に当たる約1万6千ヘクタールを所有、管理している。

尾瀬は誰が管理している?

2,356mの燧ケ岳。山頂にオコジョに会うために登ったのだが、風が強く、オコジョを見つけることはできず、早々に退散。

尾瀬を守る人々

尾瀬国立公園

尾瀬を守った長蔵小屋の平野長蔵氏

2007年8月の尾瀬国立公園に指定されてから人間による破壊は激減した。しかし、近年、ニホンジカによる湿原や林内の食害や踏み荒らしも問題となっている。
湿原の美しさや、高山植物、湖沼などの自然環境は一度破壊してしまったら、元には戻らない。守るにはどうしたらいいか?
尾瀬に行く度に考えさせられる。

尾瀬ヶ原ダム計画を永住覚悟で守り続けた長蔵小屋の平野長蔵氏のように命を懸けて守った人を尊敬してやまない。

尾瀬を守った長蔵小屋の平野長蔵氏

尾瀬の歴史と未来

尾瀬の歴史

約数万年前に燧ケ岳が噴火して、只見川や沼尻川がせき止められて、尾瀬ヶ原と尾瀬沼が生まれたという説がある。
長い間、静かに眠ったように自然を営んでいた尾瀬。ところが人間、特に首都圏を賄う水量のために尾瀬を沈めて、ダムを作ろうという話が出た。国と東電が協力し、1919年にダム建設を着手。ところがもちろん反対派が出た。文部省と厚生省。そして、平野長蔵氏。彼が長蔵小屋に永住し、尾瀬を守ると宣言した。1966年、反対派の強い意見で尾瀬ヶ原のダム計画は延期。その後、1996年に計画中止と決定した。反対派の大勝利。

その後、東電HDは各自治体と尾瀬保護財団を設立。2007年には尾瀬国立公園として認定された。

尾瀬の未来

湿原の美しさ、高山植物、湖沼などの自然環境、そして学術的価値の高さ。尾瀬はこれからも守るべき価値ある存在。長い年月をかけて生まれたこの天空の湿原、日本最大の高層湿地帯だから。

湿原には、水芭蕉やニッコウキスゲ、ワタスゲなどの高山植物だけでなく、トンボや甲虫類も多様に生存している。未来にもこの大切な自然を残したい。

守ろうみんなで!

尾瀬を訪れる人々が足で踏み付けて、湿原や登山道周辺を荒らし、汚水等による水質や水生生物、植生の改変、靴底からの移入植物の進入など、生態系を破壊してしまう。
また近年、ニホンジカによる湿原や林内の食害や踏み荒らしも問題となっている。
これらの問題をどう解決するか? 
未来に尾瀬を残すために私たちが何をできるか?

平野長蔵氏の功績を高く評価し、日本全体で尾瀬を守ることが大切です。尾瀬の写真を撮りながら、そんなことを思った。

このブログは毎月1日と15日に更新。皆様の訪問を心からお待ちしてます。

尾瀬の魅力を知った後は、尾瀬の清流のお酒やドレッシング、尾瀬の天然水をご購入ください。必ずご満足頂けます。

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