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エーゲ海の旅日記:クレタ島とサントリーニ島ブログ

今回のテーマは、ヨーロッパ最古の高度な文明の一つがクレタ島で生まれ、その消滅に大きな影響を与えたサントリーニ島の謎に写真と絵で迫ります。ぜひお楽しみください。

エーゲ海の文明が栄えた理由は、地図を見ると一目瞭然。エーゲ海は、ヨーロッパ、アジア、アフリカという三大陸の結節点に位置し、島々が「飛び石」のような役割を果たし、豊富な資源や文化が交流するハブ的存在だったからです。

クレタ島

ミノア文明

クレタ島を中心に栄えたヨーロッパ最古の高度な文明の一つ。「クノッソス宮殿」に代表される壮麗な宮殿文化

クノッソス宮殿遺跡

クノッソス宮殿遺跡
(photo by Ms.Distel)

紀元前2700年頃~紀元前1450年頃の遺跡

紀元前2700年頃~紀元前1450年頃の遺跡
(photo by Ms.Distel)

文字(線文字A):紀元前18世紀から紀元前15世紀にかけてクレタ島で使われていた文字。まだ完全には解明されていない。

文字(線文字A)

文字(線文字A)
(photo by Ms.Distel)

高度な文明を描くフレスコ画

(photo by Ms.Distel)

モダンで生き生きしたフレスコ画

(photo by Ms.Distel)

芸術性豊かで繊細な陶器(photo)

(photo by Ms.Distel)

船からの眺めを描く

船からの眺めを描く
(painted by Ms.Distel)

港からの眺めを描く

港からの眺めを描く
(painted by Ms.Distel)

ホテルの入り口「ご自由にどうぞ」

ホテルの入り口に「ご自由にどうぞ」と
(painted by Ms.Distel)

クレタ島で出会った女性

ミロのビーナスを思い出しながら描きました。

クレタ島で出会った女性
(painted by Ms.Distel)

サントリーニ島

海洋交易によって栄えたクレタ島のミノア文明。ところが、紀元前1450年頃に突如、衰退。原因はサントリーニ島(テラ島)のミノア噴火による大津波ではないかと言われている。現在もカメニ火山を中心に小規模な噴火が発生中。サントリーニ島の中心、フィラというおしゃれな街。今はどうなっているのか?

「フィラ」からの遠景

「フィラ」からの遠景
(photo by Ms.Distel)

島全体が青と白のカラー

島全体が青と白のカラー
(photo by Ms.Distel)

青と白の風景はエーゲ海の象徴

青と白の風景はエーゲ海の象徴
(painted by Ms.Distel)

美しい空、青と白のドーム型の建物。ペンキ塗りをしている男性に「どのくらいの頻度でペンキ塗りをするのか?」と聞いたら、「半年に一度かな?」と答えが返ってきた。「暇だからね」と隣から椅子に座ったおばあさんが会話に加わってきた。
船の中で教わったばかりのギリシャ語で「それは素晴らしい」と言葉を交わすと、「ギリシャ語の先生でもしているのかね」とほほ笑んでくれた。しかも、なんとお店の商品であるTシャツを「プレゼントするよ」と手渡してくれた。
「もう定年でね。最後のご奉仕。日本に行きたいよ」

すごくいい思い出をありがとう

すごくいい思い出をありがとう
(painted by Ms.Distel)

サントリーニ島を描く

サントリーニ島を描く
(painted by Ms.Distel)

ブーゲンビリアが咲き誇る

ブーゲンビリアが咲き誇る
(painted by Ms.Distel)

フィラの街中のレストラン。散歩道からの眺めも最高。フィラに行くには、ケーブルカーがあるのであっという間。でも、時間にゆとりのある人はロバタクシーもお勧めです。

フィラの街中のレストラン

(painted by Ms.Distel)

フィラという街の名前の語源は、昔、入植したスパルタ人の王様の名前がテーラス王。その名前から「テーラ」となり、いつしかそれが「フィラ」に変化したといわれる。

お土産屋さんの飾りつけの人魚姫?

お土産屋さんの飾りつけの人魚姫?
(photo by Ms.Distel)

独立した島々や地域にありながらも、海を介した活発な交流によって互いに影響を与え、西洋文明の揺りかごとも言える豊かな文化を育んできた。

サントリーニ島は今もなお、火山の小規模な噴火が頻繁にあり、多くの住民が避難し、観光客もリスクが多い。もちろん、すぐ近くのクレタ島も安全とはいえない。私が旅した時は、地震には遭遇しないで、ただ暑かったという記憶しかない。バスのエアコンが壊れて、43度という気温を今でも肌が覚えている。

紀元前18世紀から紀元前15世紀頃、豊かな鉱物資源や食料、そして恵まれた天候の中で開化したミノア文明。その足跡を歩きながら、約3500年前の時代へと飛んでみた。

生まれて、栄えて、滅びる。その歴史の繰り返しが地球上で行われている。旅は空間と時間を再認識させてくれる。一週間の旅が、実は何千年の歴史を歩くことでもある。

そんなことを考えながら、船に戻った。

さあ 次はクシャダス(トルコ)!

クシャダスは世界遺産エフェソス遺跡への玄関。

さあ 次はトルコへ!
(photo by Ms.Distel)

サントリーニ島では親切な人々と出会い、会話をギリシャ語でできた。今は、簡単にスマホでできるかもしれないが、人と人が同じ言語で話をできるなんて、最高に幸せでした。

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古代ロマンのエーゲ海。ぜひ行きたいです!
そんなあなたにお勧めを楽天でご紹介します。

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エーゲ海:ミコノス島とパトモス島の旅ダイアリー

夏本番のエーゲ海:ミコノス島、パトモス島の旅の思い出。写真と絵でお楽しみください。

エーゲ海はどこ?ギリシャとトルコの間

エーゲ海の楽園:ミコノス島

キクラデス諸島に属する人気の高いリゾートアイランド。
カトミリの風車群 (Kato Mili Windmills):ミコノス島のシンボルとも言える風車群、そして観光客で賑わうビーチ。

波が足元まで。美味しそう、楽しそう。そんな人々を眺めながら通り過ぎて教会へ。 急げ!時間がない🏃

荘厳に輝く朝の教会(photo )

荘厳に輝く朝の教会(photo )
photo by Distel

ランチを楽しむ観光客(photo )

ランチを楽しむ観光客
photo by Distel

ミコノス島の迷路(photo )

この道を進むうちに、迷子に! 実は、この道はわざと複雑に作られたそうです。昔、海賊が多く、襲われても、彼らが教会にたどり着けないようにわざと複雑にしたそうです。
この迷路。私も迷子になってしまい、いつの間にか、港に着いたときは嬉しさで涙が出てきました。

ミコノス島の迷路(photo )
photo by Distel

ブーゲンビリアが美しかった。

お昼寝中!(水彩画)

白い塀の上の涼しいところでお昼寝。

お昼寝中!(水彩画)
painted by Distel

島中のあちこちで見かけた風景です。

船からの全体風景(水彩画)

着岸する際に眺めた風景。

船からの全体風景(水彩画)
painted by Distel

夕陽に輝く海岸線(水彩画)

船に戻る時間ギリギリまで夕陽を眺めて描きました。

夕陽に輝く海岸線(水彩画)
painted by Distel

船室のおもてなしの花(水彩画)

豪華客船の装飾は実に見事。花も豪華!

船室のおもてなしの花(水彩画)
painted by Distel

ミコノス島に朝、着岸し、夕方まで走り回っていました。たった一日の滞在では短すぎて、残念でした。もっと居たかった!

ユネスコ世界遺産パトモス島

パトモス島は、ドデカネス諸島に属する小さな島。しかし、キリスト教徒にとっては特別な意味を持つ聖地。そのため、ユネスコ世界遺産にも登録されている。

聖なるパトモス島(photo)

パトモス島は紀元95年頃、ローマ皇帝ドミティアヌス帝の迫害から逃れてきた使徒ヨハネが流刑された場所。

聖なるパトモス島(photo)
photo by Distel

スケラ港(photo)

パトモス島の玄関口。港にはフェリーが発着し、海岸沿いにはレストランやカフェ、土産物店が並んでいたのですが、時間の都合でじっくり味わうことができず、残念!!

スケラ港(photo)
photo by Distel

船から眺めた島の風景(水彩画)

船から眺めた島の風景(水彩画)
painted by Distel

船着き場の風景(水彩画)

テンダーボートやタグボートで大型客船から港へと移動。

船着き場の風景(水彩画)
painted by Distel

船室の花(水彩画)

船室のドアにはすべて絵が飾られていた。もちろん、室内にも。

船室の花(水彩画)
painted by Distel

船内の飾りつけ(水彩画)

なぜかウサギさんのぬいぐるみがちょこりんと。

船内の飾りつけ(水彩画)
painted by Distel

船の中の時間はたっぷりあったため、船内をあちこちウロウロ。絵もロビーでじっくり描くことができた。

おしゃれな店で接待してくれた日本人の女性。旅するうちに、あまりの美しさに旅でなく、ギリシャに移住。でも、観光客と異なり、「住むのは大変よ」と日焼けした顔で苦笑い。

たった一週間の旅、豪華客船といえども、下船した時は地面が揺れている感覚がしばらく続いた。美しい船内。そして美しき島々。「またいつか来るね」とつぶやきながら、エーゲ海の旅思い出を心の金庫にそっと保存した。

エーゲ海を巡る旅は本当に素晴らしかった。暑さも吹き飛ばす美しき空と海。ギリシャの哲学や美術が目の前にリアルに広がり感銘。幼い頃からの夢がやっと実現。最高の旅でした。

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朝霧の尾瀬の美を撮影

朝霧に包まれた尾瀬は、人間に「芸術とは何ぞや」「美とはいかなるものか?」などという疑問を吹き飛ばす威力がある。

感動を伝える言葉が出ない。絵にも描けない。写真で撮りたいが、目の前の奇跡の映像をただ息をのんで見ているだけ。

ここでスライドショーをご覧ください。
実際に行って体験し、肌で感じ取れるが存在します。

尾瀬の神秘的な朝霧の写真

 朝霧と朝日が織りなす透明感のあるグラデーション

朝霧と朝日が織りなす透明感のあるグラデーション
Photo by Mr. Soutan

夜の気配がまだ漂っている

山小屋の起床は早い。午前4時ごろから物音が聞こえてくる。しかし、それよりも早く目覚めてしまった。
尾瀬の朝霧。昨夜はよく晴れ渡っていた。風も穏やか。朝霧が出る条件にピッタリあった気象条件。こんな朝を待っていた。

さて、身支度して、カメラの準備。重いカメラを首にかけて、いざ出陣。この苦労が実りますように。朝ごはんなどは後でいい。

午前5時50分。周囲は真っ暗

でも山際が少し明るい。枕草子を思い出してしまう。
「山ぎは、少しあかりて……」

 ほとんど見えないにもかかわらず、自然の呼吸のようなものを感じることができた。これから起こるだろうと予想できる自然に期待を膨らませながら、カメラをぐっと構えた。前景はほとんど暗く、都会のような光は全くない闇の世界が広がっていた。

尾瀬の夜明け前
Photo by Mr. Soutan

Mr.Soutan写真術:3つのコツ

①太陽が昇る場所を調べておく

②日の出は何時かを調べておく。

③準備は時間をかけ、シャッターは素早く。

①太陽が昇る場所を調べておく

日の出場所が重要。前の日に自分の足で確かめたり、山小屋のスタッフに聞いておく。
しかも少し早めに出掛けると目がなじんでくる。しょぼしょぼの目ではいい写真が撮れない。それでなくても老眼?(笑)

静けさの中に小鳥のさえずり

 無音の静寂とはちょっと違う自然の静けさ。チッチッ、チーチー、キョロン。小鳥たちの会話かな?

静けさの中に小鳥のさえずり
Photo by Mr. Soutan

静けさと感動は心に響く体験

静けさは心の内面に考える余白を与え、自分の心を豊かにしてくれる。感動は何かに強く心を動かされ、その体験で、自分が変わる。どちらも心を揺さぶるという共通性がある。

写真も同じ。撮りたい被写体の前でその瞬間を静かに待つ。自然に対し、人間ができることはまずそれだけ、心静かに。そして、いざ、求めるものが出現した時に、怒涛の如くシャッターを切る。
それがカメラの楽しみ、人生の生きがいです。

朝霧と朝陽が魅せる幻想世界

尾瀬沼の水面に映る天空の劇場

尾瀬沼の水面に映る天空の劇場
Photo by Mr. Soutan

早朝の尾瀬沼だけが映せる淡いグラデーション。感動のあまり息もつけない。
目の前の光景はそれこそ「絵にも描けない美しさ」。いや違う。カメラマンとしては「写真にも撮り切れない美しさ」と言い換えたい。

美しい朝霧がなぜ尾瀬に出現?

尾瀬は朝霧に最適な環境

尾瀬の湿原は、豊富な水と夜の放射冷却が起こりやすい条件を兼ね備えている。冷えた空気が溜まり、水面からの蒸発によって湿度が高くなりやすい。湿度が高いと空気中に水蒸気が多く含まれているため、わずかな冷却でも飽和状態に達して霧が発生する。

というわけで、尾瀬には幻想的な朝霧が出現し、私たち人間に感動を与えてくれる。貴重な人生の宝物を。

尾瀬は朝霧に最適な環境
Photo by Mr. Soutan

朝霧と朝陽のグラデーション

グラデーションがよくわかるように、三段階に分けてみた。
人間の生の目は意外に物をしっかり見ているらしい。でもはもっと精度のいい眼、紫外線まで見えて、人間よりもはるかに色の識別ができるらしい。さらに動体視力もすごい。あくまで人に聞いた話。蝶が語ってくれたわけではない。

なぜここで蝶の話をしたのかというと、蝶は複眼で、それぞれ小さな視野を任され、そこで見た情報をまとめて行動する。つまり、対象物を分解して眺めながら、食料を探すという優れた機能を持っている。
要するに、漠然と全体を見るより、いくつかに区切ってみることで、よりグラデーションが見えてくる。

白黒のグラデーションで試したことがある。グレーを見分けるときにこの分割方式を取ると、微妙な差が認識できた。

また、淡いこのようなグラデーションは、温暖湿潤気候に住む人々が好む。一方、赤道直下の人々は強烈な色、コントラストのある配色を好む。強い日差しの中では、明暗がはっきりしている。その中で淡い色埋もれてしまうからという説もある。

もしかすると、朝霧のような優しいグラデーションが美しいと思える日本人は幸せなのかもしれません。

グラデーションがよくわかるように、三段階に分けてみた
Photo by Mr. Soutan

朝陽が輝く瞬間

②日の出は何時かを調べておく。

尾瀬の9月の日の出午前5時半頃になる。ただし、時間は一日毎に変化していく。山小屋のあるじに聞いておくと確実。しかも、会話のネタになり、山の雑談に発展し、楽しい時が共有できる。

一瞬、宝石箱の中?

待ってました! 主役のご登場。

待ってました! 主役のご登場。
Photo by Mr. Soutan

朝日が顔をひょっこり出した瞬間は、あっという間に過ぎ去り、霧は、またたく間に消え去った。

霧が晴れて、尾瀬の風景が徐々に出現

前景の木道が尾瀬の個性
山小屋のあるじがトツトツと語ってくれた。
木道は最初、湿地帯を歩くのが大変だったので、歩き易くするためだった。しかし、いつしか、湿地帯の植物を登山客から守るための通路、しかも木道といったら尾瀬というシンボルにもなったようだな。塞翁が馬とはこのことかな」

霧が晴れて、尾瀬の風景が徐々に出現
Photo by Mr. Soutan

霧が晴れるのはなぜ?

難しい質問。

でも、理系に強い私としては、ここで逃げられない。AIに負けてはいられない。

「朝日が顔をだし、その光が地表を温かくする。すると、地表の温度が高くなり、飽和水蒸気量が増加して、目に見える状態の小さな粒状の水滴が、再び元の透明な水蒸気に戻る。これが、霧が消えていく理由」

この理論、たしか中学1年か2年の時に学んだ気がする。

実は、AI_Geminiのチャットで相談したところ、なんと韓国語やロシア語が混じっていて、何を説明してくれたのか?肝心なところが日本語ではなかった。有料なら、きちんと日本語で説明してくれるらしい。無料Geminiはまだテスト中!ということで、今回は、自分の脳からぐいぐい引っ張り出した。(笑)

朝霧の晴れた尾瀬の写真

朝霧の晴れた尾瀬の写真
Photo by Mr. Soutan

新しい一日の始まり

尾瀬の美:山容が沼に反映。まさに奇跡の一枚。

尾瀬の美:山容が沼に反映。まさに奇跡の一枚。
Photo by Mr. Soutan

尾瀬の燧ヶ岳

尾瀬沼がなぜできた?

尾瀬沼は燧ヶ岳が噴火して、その時に流れた溶岩が沼尻川をせき止めてできた湖といわれる。それ以前は、平坦な普通の高原だった。ところが、川がせき止められたことで、水が溜まって、それが今の尾瀬沼ではないだろうか? という説が主流。

もちろん、他の説もある。燧ヶ岳の南側が崩落して、それがせき止めたのではないだろうか?という説。どれが正しいのかはもう少し調査時間が必要。

尾瀬沼はなぜうまれたのか
Photo by Mr. Soutan

燧ヶ岳に登る

燧ヶ岳に登る人は、少し覚悟する必要がある。尾瀬沼での気象条件をそのまま信じないほうがいい。

私が登った時は、尾瀬沼周辺を歩いていた時と環境がまるで違っていた。山頂付近の風の強さは半端じゃない。しかもごつごつした岩場はゆっくり休む場所ではない。さらに正午過ぎから雷鳴が下から聞こえてきた。山の雷は本当に恐ろしい。急ぎ下山した。

燧ヶ岳に登る人にご忠告。かなりキツイ。ムリしないこと。ダメだと思ったら、途中で引き返そう。尾瀬は逃げませんから。

燧ヶ岳に登る
Photo by Mr. Soutan

なぜ尾瀬を愛するのか?

尾瀬がなぜ好き?

理由なんてない。とにかく好き
恋人が答えるような回答。あなたのすべてが好き。

そうです。尾瀬が好きな人は、尾瀬ヶ原だろうが、尾瀬沼だろうが、とにかく尾瀬が大好き。

広大な湿原に水芭蕉やワタスゲ、ニッコウキスゲなど咲き誇る。風景も素晴らしい。広々と視野が広がり、心も体もリラックスできる。解放感、自由な世界が目の前に広がる。

登山家は、山があるから登る。
写真家はそこに美があるから撮る。

尾瀬の澄み切った空に浮かぶ燧ヶ岳と至仏山の姿が大好きという人、木道を歩くのがステキ!という人、様々です。

「四の五の言わずに、一度登ってみるといい。様々な植物との出会い、燧ヶ岳の山頂から眺める尾瀬沼の美しさに感銘するはず」

元、大学のワンダーフォーゲル部にいた知人がそう言っていた。
というのは、その人それぞれ、百人百様。

Mr.Soutanの願い

尾瀬が魅せる四季折々の光景をずっと撮り続けたい。
偶然できた自然の奇跡、尾瀬の美を大切に守りたい。

尾瀬の朝霧は感動の連続。こんな体験はめったにない。写真をバチバチ撮りまくった。
フィルムでなく、デジタルだからできる撮影方法。映画もデジタルになったおかげで製作費がだいぶ助かっているらしい。

このブログは毎月1日と15日に更新。
お楽しみにお待ちください。

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尾瀬沼に行ったことがあります。美しい風景には心がすっかり癒されました。あなたにも尾瀬はお勧め。その際のお供にいかがですか?

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美を撮る:合歓の花

写真を撮る事は自然の中の美を求める冒険

夏の花:合歓の花

夜に花開く合歓の花
photo by Mr.Soutan

写真を撮る心構え
美しいと思うことは、物の美しい姿を感じる事。美を求める心とは、物の美しい姿を求める心。

写真の魅力
あまたある自然現象の中で、美しいところを見つけようとし、美しいところが見つかり、美しく表現出来た時、無上の喜びを感じる。それが写真の最大の魅力といえる。

7月15日の誕生花

この花の咲く時期は夏。6月から7月頃にかけて細い糸を扇子に巻き付けたように咲き始める。それで7月15日と決められたのかもしれない。しかし、とても背が高いので、花の咲く時期を見逃してしまう。少し距離感がある存在。ちょっと残念。

花は扇を広げたような緩やかな三角形、葉は鳥の羽根のように並んでいる。夕方から葉が垂れ下がり、葉が合わさって閉じ、眠ったように見えることから、ねむの木といわれる。
オジギソウと異なるのはタッチしてもお辞儀をしないこと。

photo by Mr.Soutan

合歓の花言葉

「胸のときめき」「夢想」「安らぎ」「歓喜」「創造力」

すてきな花言葉に合うような雰囲気を演出。背景をぼかしたりするだけで無想感を表現できる。

花言葉
photo by Mr.Soutan

マンションの3階ぐらいの高さがある合歓の木が多いため、淡い紅白色のふわふわした花を撮るのはかなり難しい。なので、手強い被写体にチャレンジする勇気が大切。だからこそ、うまく撮れた時の喜びは人生最高の瞬間かも。

Mr.Soutan写真術

Mr.Soutan写真術:3つのコツ

①シャッタースピードを遅めにする

②望遠レンズを被写体に近づける

③スマホで撮影:暗い部分をタップ

①シャッタースピードを遅めにする

シャッタースピードを遅めにすることでピントや露出がきちんと固定される。とにかく急ぎ過ぎないでじっくり構えよう。

高さ10m以上になる落葉高木

松尾芭蕉の奥の細道
photo by Mr.Soutan

高層マンションと背比べ

高層マンションと背比べ
photo by Mr.Soutan

日本の文化で花開く

松尾芭蕉の奥の細道

松尾芭蕉の「奥の細道」の中の一句。

象潟や 雨に西施が ねぶの花」

象潟は美人が物思いに耽っているようだと中国周時代の傾城の美女、西施への想いを重ねた句。

中国の古代四大美人の一人西施。以前この美女を調べたことがあった。

西施は実は薪売りの娘。川で洗濯をしている時に見つけられたそうだが、兵が心奪われたのは、彼女の足、見事なダイコンだったらしい。本人はそれを負い目に感じていたようだ。最期は袋に包まれて川に投げ込まれたという悲しい人生。

芭蕉は彼女の儚い人生を短い俳句にこめたはず。松尾芭蕉の知識は奥深い。現代人が考える以上に古い文献を読み込んでいたのではないかと思う。

加賀の千代女&与謝蕪村

加賀の千代女&与謝蕪村
photo by Mr.Soutan

加賀の千代女

「そのすがた 人にうつすや ねぶの花」

人の心にまでしみじみと映る美しい姿の合歓の花

加賀の千代女は江戸時代中期の女流俳人。彼女の句で有名な一句
「朝顔や 釣瓶とられて もらひ水」

与謝蕪村

「雨の日や まだきにくれて ねむの花」

俳人であり、画家としても有名。生まれは大阪。絵の修業をしてから、江戸の北部、現在の茨城県や栃木県などを転々としながら仕事として絵を制作。その後、京都に落ち着く。その間、俳句は趣味で始めていた。

絵が専業で、俳句は趣味? しかし、彼の俳句には色彩が生きている。やはり絵を描いている中で、美的センスを磨いたのだと思う。68年の生涯で3000以上の句を発表した。

画家の目で見て、俳人として文字で表現。両者が見事に融合して多くの作品を生み出した。大谷翔平選手のような天才二刀流。

②望遠レンズを被写体に近づける

望遠レンズを近づけることで周囲もぼける。
背景の色は花を引き立てる脇役を担っている。(ピンクを引き立てる色は深い青で決まり)

望遠レンズを被写体にぐっと近づく
photo by Mr.Soutan

万葉集の年上女性から

昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓の花 君のみ見めや 戯奴さへに見よ」紀郎女(きのいらつめ)

昼は咲いて夜は恋いつつ眠る合歓の花を私だけが見て楽しんでいてよいものだろうか。あなたも一緒に見なさいよ。

この和歌に年下の大伴家持の返歌。

我妹子が 形見の合歓は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも」大伴家持 

あなたが下さった合歓は花だけ咲いて、多分、実を結ばないのでは。あなたのお心は口先だけで本気ではないのでしょう。

現代にも通じる恋愛事情。そこに合歓の花が登場するなんて。

写真を撮るときはそんなことは忘れて、被写体に集中!

美智子様とまり子さん

美智子上皇后の思い出

美智子様の生家跡の「ねむの木の庭

東京JR五反田駅の東口から徒歩7分。「ねむの木の庭」がある。美智子様のご実家があった正田邸の跡地に2004年に開園された小さな公園。

慈愛あふれる美智子様が高校生の時に詠んだ詩「ねむの木の子守歌」にちなみ、公園はねむの木の庭と命名された。

現在は、合歓の木やシラカバ、エリザベス女王から贈られたプリンセスミチコなどが華やかに彩っている。

美智子上皇后様の生家跡の「ねむの木の庭」
photo by Mr.Soutan

区の公園として大切に保護されている。

宮城まり子のねむの木学園

教え子たちが今も頑張って運営

人気女優だった宮城まり子さんが創設したねむの木学園。子供たちの想像力、可能性を信じ、また障害を持つことで、学校に通学出来ない子供たちに「生きる目標」をとの決意から始まった。

2020年3月に亡くなられたが、今、教え子たちの手で運営を継続している。

彼女の残した言葉

ねむの木にはこんな意味があるの。
「やさしくね、やさしくね、やさしいことは強いのよ」


強くて優しかった宮城まり子さん。

そんな彼女に伝えたい。
「あなたの教え子たちが今も頑張って運営しているよ」

宮城まり子のねむの木学園
photo by Mr.Soutan

③スマホで撮影:暗い部分をタップ

スマホ画面で暗い部分をタップすると太陽のマークが出て、明るい部分が広がる。

一番よく撮れるのは、朝の光と青い空にピンクの合歓の花が咲き乱れる瞬間。これこそまさに美を体験でき、写真にその美を残せるチャンス。スマホで素敵に撮影できますよ。

毎月1日と15日にブログを更新します。お楽しみお待ちください。

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7月の尾瀬の美を撮る

7月の尾瀬に咲き誇るニッコウキスゲとワタスゲを撮影。美しい黄色のニッコウキスゲ、ふわふわしたワタスゲが彩りを添えていた。その圧倒的な存在感に心奪われた。

ニッコウキスゲ

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ、

ニッコウキスゲは6本の雄しべ、1本の長い雌しべ、花びらは内側に3枚、外側に3枚、計6枚。ワスレグサ属の多年草。

ニッコウキスゲとは?

ニッコウキスゲは一日花

朝に開花し、夕方にはしぼんでしまう一日花。一株で約一週間という短い命。強烈な黄色で草原を染めてしまうがあっという間に消えてしまう。登山客にとって鮮明な映像を与えてくれる花。

Mr.Soutanの写真術:3つのコツ

①これと思う花にピントを合わせる

②コントラストを考える

③反射率が高い黄色は光の向きを探す

①これと思う一本にピントを合わせる

早朝、尾瀬の湿地帯を歩いていると見事に咲いている一輪に出会う。ラッキー!でも、できるだけゆっくりカメラを向け、シャッターを切る。慌てないことが大切。ニッコウキスゲは逃げ出さない。落ち着いて構えてから、ゆっくり撮ろう。

背景をぼかすと黄色いニッコウキスゲの美が強調される。

背景をぼかすことで、黄色いニッコウキスゲが生き生きする。

ダイナミックな構図を撮るには広角。遠近感が演出できる。

ダイナミックな構図を撮るには広角。遠近感が演出できる。

遠くのニッコウキスゲをぼかすことで、前景の主役を際立てる。

黄色いニッコウキスゲ

湿地帯を黄色で埋め尽くす

湿地帯を黄色で埋め尽くす

木道の周辺にも咲き乱れる

木道の周辺にも咲き乱れる

木道に寄り添って咲くニッコウキスゲ

ニッコウキスゲの花言葉

「日々新たに」「心安らぐ」

「日々新たに」は日々新しい花が咲くことから生じた花言葉。でも、「心安らぐ」はどこから? 黄色は緊張感のある色。人々に注意を促す視認性のある色。心安らぐ色とは思えない。

以前、山田洋次監督、高倉健主演の映画 「幸福の黄色いハンカチ」を見た時、一番印象に残ったのは、最初の慌ただしい武田鉄矢のトイレ探し。演技力抜群だった記憶が残る。

最後に黄色いハンカチが鯉のぼりのようにたなびいていたのを見てほっと安らぎを覚えた。あれが多分「心安らぐ」の由来かもしれない。

②コントラストを考える

コントラストが強い:被写体の立体感、存在感を引き出す。
コントラストが弱い:ソフトで落ち着いた雰囲気を出す。

◆明暗のコントラスト
最も明るい部分と最も暗い部分との差をつける。

前景の明るい草地と遠景の木々の暗さが程よいコントラストで、奥行き感を表現し、全体を引き締めている。

明暗のコントラスト


◆色のコントラスト
補色、あるいは暖色系の色と寒色系の色を対比させる。

黄色いニッコウキスゲと緑色の草地。木々の濃い緑と青い山並み。水平線のような水面の淡い水色。これらの色のコントラストで奥行き感や広がり、写真全体に深みを増している。

色のコントラスト

背景に緑や青などの寒色系を入れる

色のコントラストは遠近感や広がりを強調する。
黄色の対象物は白と同様、反射率が高いので撮影は難しい。しかし、寒色系の緑色を背景に入れることで、主役のニッコウキスゲが前進する。

📱スマホでコントラストを強くする方法
設定>アクセシビリティ>画像表示とテキストサイズをあげるONに設定する。

登山客を構図に入れる理由

風景の中の人物は後ろ姿をお勧め

人物を入れることで、他の写真と差別化できる。しかも後ろ姿。後ろ姿なら誰だか判別できない。風景に人物を配置するときは、できるだけ後ろ姿をお勧め。

前向きではどうしてもプライバシーが問題視される。また、ブログを偶然見て、肖像権侵害などといわれ、損害賠償を請求される可能性もある。

風景の中の人物は後ろ姿をお勧め

愛らしいニッコウキスゲが登山客にご挨拶「Welcome!」

愛らしいニッコウキスゲが登山客にご挨拶「Welcom!」

木道は奥行き感を表現する最適なツール。
もちろん主役はニッコウキスゲですが。

黄色い色は花の世界では一番多い。しかし、黄色が好きかと問われると「黄色い花なら好きだが、衣類にはちょっと」そんな人が多いのは、やはり黄色が目立ち過ぎるから?

ワタスゲとニッコウキスゲ

大群落のワタスゲ

ニッコウキスゲをワタスゲが引き立てる

尾瀬の7月は高山植物が咲き乱れる。その中で大群落のワタスゲは人々を驚かす。
「あのふわふわした綿みたいな花は何?」
知らない人でもつい「ワタ」といってしまう綿のような花。

ニッコウキスゲをワタスゲが引き立てる

ワタスゲがまるで丸ボケ(Circular bokeh)のように、 ニッコウキスゲを引き立てる。

まるで丸ボケ(Circular bokeh) ニッコウキスゲを引き立てる。

弱いコントラストは写真全体を優しい表情にする。
ワタスゲ、ニッコウキスゲ、中景に個性的な白樺、右側に濃い緑の木、そして遠景に青緑の木々のが重なり合った森。
奥行き感、広々とした空間、色の重なりが美しいハーモニーとなり、繊細な風景を作り出している。

弱いコントラストは写真全体を優しい表情にする。

光の方向とカメラワーク

③黄色は反射率が高いので光の向きを探す

正面から撮るか?、側面から撮るか?それとも逆光にするか?
光の方向をどうするかが撮影者の腕の見せ所。美しいニッコウキスゲと愛らしいワタスゲのコラボをどう撮影したらいいかを落ち着いて探そう。また、花びらが光っている雰囲気を表現したい時は、逆光を試してみるのも楽しさ倍増。

黄色は反射率が高いので光の向きを探す

黄色を前面に押し出す際、濃い緑やワタスゲのような白い色を入れることで、遠近感、質感、奥行き感、物語までが表現できる。

ワタスゲの花期は5~6月。白い綿毛をつける果期は6~8月。花が終わると、直径2~3cmの白いふわふわした綿毛をつける。

撮影した写真をちょっとだけ加工。デジタルカメラになった今、様々な画像ソフトで加工して遊ぶのも楽しい!

Photoshopのエフェクトで加工

水芭蕉とニッコウキスゲをYouTubeで公開

毎月1日と15日に更新。お楽しみに!

黄色いニッコウキスゲを見ていたら、バナナやレモン、オレンジなどを思い出しました。ぜひ楽天でお買い求めください。美味しいですよ!

💑ニッコウキスゲ 湿生植物(1ポット)


💑ニッコウキスゲ(20ポット)


💑めずらしい国産オレンジ (和歌山産)


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日本の美:花菖蒲を撮影

江戸文化が花菖蒲を育てる

色彩の魔術師ともいわれる花菖蒲。優美な花形が魅力的だ。日本の野山のあちこちに自生していたノハナショウブが原種。江戸時代中期から育成が盛んになり、現代へと受け継がれてきた。  

江戸時代後期、旗本の松平定朝(菖翁)は武士というより、園芸家。人生84年間を花菖蒲の育成、改良に費やした。

余談を一つ。彼の父親松平定寅は鬼平犯科帳の長谷川平蔵の4歳年上、二人は職務上の確執があったと歴史書に残されている。

定寅もまた花菖蒲を愛し、武士としての評判は悪いが、花菖蒲の育成を息子に託したのは称賛できる。園芸は茶道や和歌と同様、当時の武士や公家の教養の一つだった。

明治時代になってから、天皇が、愛する皇后のために自ら設計し、作り上げた明治神宮の菖蒲園。皇后がゆっくり散歩できるようにとの配慮深い設計で築かれ、令和の今も大切に守り育てられている。

明治神宮の菖蒲園:遊歩庭園

明治神宮の菖蒲園:散歩用の小道を設ける。遊歩庭園作り
photo by Mr.Soutan

☘️明治神宮の花菖蒲園では江戸系花菖蒲、菖翁花(松平定朝が改良)が大切に守られ、育てられている。

Mr.Soutanの写真術:3つのコツ

①視点を横や上へ移動して撮る

②花びらの色、形、しわなど陰影に注意

③一番美しいと感動した花を撮る

浮世絵の花菖蒲:広重&国英

歌川広重の遠近感のある花菖蒲

歌川広重の遠近感のある花菖蒲

1857年 歌川広重「名所江戸百景 堀切の花菖蒲」

現在の葛飾区堀切周辺には広大な花菖蒲園があった。
横から描いている。視点の工夫でより遠近感を演出している。

歌川国英の背景効果の花菖蒲

歌川国英の背景効果の花菖蒲

1853年 歌川国英「名所木母寺 堀切花菖蒲」

美人画の背景に花菖蒲。
美人をより美しくする効果をすでに確立していた。

視点を横や上へ移動して撮る

☘️広重のすごさは視点の移動。花菖蒲をどんな視点から描くのがより美しいかを探究。その考えはおそらく蔦谷重三郎がアドバイスしていたに違いない。

広重は花菖蒲を横から捉え、しかも遠くに花菖蒲を描くことで、堀切の花菖蒲園の広さをアピールしている。宣伝用として効果抜群。庶民をワクワクさせる原動力になった浮世絵。

世界に自慢できる日本の花菖蒲

広重の浮世絵:モデルの花菖蒲

真横から見て写真を撮るのも正攻法

世界に自慢できる日本の花菖蒲
広重の浮世絵:モデルの花菖蒲
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上から眺めて美しく見えるように品種改良

上から眺めて美しく見えるように品種改良
photo by Mr.Soutan

松平定朝(菖翁)

江戸幕府の旗本が花菖蒲の親

松平定朝は江戸後期、花菖蒲を84歳で亡くなるまで、品種改良を繰り返し、200種以上の花を生み出した園芸家。
江戸時代の身分の高い武士や公家階級の人々は園芸を茶道と同じように愛していた。そのブームは江戸時代、庶民にまで広がった。旗本である松平定朝の品種は大評判。彼の邸宅には多くの人が押しかけて、門前で市まで開かれるようになったそうです。

彼のゆかりの地、伊予国松山から届いた陸奥安積沼の品種花且美(はなかつみ)の実から、品種改良をさらに続け、花の色、形の変化の美にのめりこんでいった。

それは京都町奉行になった時も続いた。花菖蒲を江戸から運び、育成し、なんと天皇に献上さえした。

江戸から京都へ花菖蒲を往復させた。宅配便も車もない時代、何日もかけて、どうやって運んだのか? 松平定朝にタイムスリップして教えてもらいたい。

隠居は彼にとってはすこぶる幸せ。職を辞してからの彼は花菖蒲にすべてを注ぎ込み、200種以上の品種を生み出した。さらに彼は著書「花菖培養録」を残し、花菖蒲の育成を後進に託した。

花菖蒲は外側の花びらに黄色の筋

☘️真上から撮影するとめしべおしべがよく見える

真上から撮影するとめしべやおしべがよく見える
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☘️江戸時代の人々は花菖蒲を上から鑑賞していた。

花形には、三英咲き(3枚の弁が大きく目立つ)、六英咲き(6枚の弁)、八重咲き(幾重にも重なる)がある。

六英咲き(6枚の弁)

六英咲き(6枚の弁)
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☘️背景をぼかし白みがかった花びらを美しく撮る。

背景をぼかし、白みがかった花びらを美しく撮る。
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☘️花びらの形は優美という花言葉そのもの。

三英咲き:3枚の弁が大きく目立つ

三英咲き:3枚の弁が大きく目立つ
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網目模様の流れと色の濃淡を撮る

網目模様の流れと色の濃淡を撮る
photo by Mr.Soutan

八重咲き(幾重にも重なる)

八重咲き(幾重にも重なる)
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☘️欧州原産、明治時代に伝わり野生化した「キショウブ」を品種改良し、磨き上げた個性的な黄色い花菖蒲。

花びらの形、しわなど陰影に注意
photo by Mr.Soutan

上向きに広がった受け咲きの特徴を撮る

花びらの形、しわなど陰影に注意
photo by Mr.Soutan

どんな花形も個性とみなす寛大なる花菖蒲の世界。写真を撮る側としてはその多様さに感謝。花びらの陰影を撮るスキルアップの練習ができる。

一番美しい感動した花を撮る

☘️これは松平定朝(菖翁)が花菖蒲の品種改良を続けた理由と似ている。彼は美しい花菖蒲「宇宙」を最高の美とした。

☘️写真も自分が一番美しいと感動したモチーフにスポットを当てて撮る。これこそ、良い写真を撮るモチベーションになる。

江戸系ヒストリー

江戸・堀切の花菖蒲園

江戸時代後期、松平定朝(菖翁)が生涯をかけて品種改良を繰り返し、200種以上の花を生み出した江戸系の花菖蒲。菖翁から花菖蒲の株を分譲された万年禄三郎や、小高伊左衛門を通して、さらに品種改良が行われ、変化のある品種が次々生まれた。

☘️江戸・堀切周辺(現在の葛飾区堀切一帯)に花菖蒲園が造成され、様々な品種群が育成、栽培されていった。

☘️明治神宮の菖蒲園にも江戸系花菖蒲の中でも由緒ある品種が大切に受け継がれている。

江戸系の花菖蒲は茎が剛直で庭植え可能

江戸系の花菖蒲は茎が剛直で庭植えできる。
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きりりとした江戸時代の芸者さん?

きりりとした江戸時代の芸者さん
photo by Mr.Soutan

花菖蒲の蜜はさぞ美味しいでしょう!

花菖蒲の蜜はさぞ美味しいでしょう!
photo by Mr.Soutan

花菖蒲のような大輪の花はスマホできれいに撮れますよ。ぜひ試してください!

肥後系ヒストリー

肥後系(菖翁との約束は門外不出)

肥後熊本藩の細川斉護が松平定朝(菖翁)に何度も譲って欲しいと頼んでも断られ、奥の手を使った。自分の部下である藩士を弟子入りさせ、菖翁の手足にさせた。その弟子の誠意に感銘した松平定朝(菖翁)は門外不出を条件に自慢の花菖蒲を譲った。その品種が肥後六花となって今日に受け継がれている。

☘️門外不出なのになぜか県外へ。大正時代に守る会の会員が外へ持ち出してしまった。今はしっかり守られているそうです。

見る人を感動させる肥後の花菖蒲

見る人を感動させる肥後の花菖蒲
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肥後系は六英咲き(6枚の弁)が多い

肥後系は六英咲き(6枚の弁)が多い
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美しい大輪を咲かせる室内鑑賞用花菖蒲。堂々としているが、実は雨風に弱い。

美しい大輪を咲かせる室内鑑賞用花菖蒲。堂々としているが、実は雨風に弱い。
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伊勢系ヒストリー

伊勢花菖蒲は身近で撮影できる

江戸時代の後期、三重県の松阪地方で作り伝えられてきた系統。この系統は少数の人々の間で伝えられていた。
しかし、三重大学の冨野耕治博士の努力により、一般に知られるようになった。
この伊勢系花菖蒲は現在、松阪市の松阪三珍花会が保存に努めている。垂れ咲きの三英花が特徴。

女性的で柔らかい形状

女性的で柔らかい形状
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三重県がお勧めする伊勢花菖蒲

三重県のご推薦の花菖蒲
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鉢植え栽培に適している

☘️花と葉の背丈が低く、ほぼ一緒なので、鉢にまとめやすい。自宅で育てられるし、写真もスマホで手軽に撮れる。

鉢植え栽培に適している
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様々な種類がある花菖蒲。日本全国にある菖蒲園を回るだけでも一生かかりそう。また、花菖蒲を丹念に育てる人々に心から感謝します。

観光名所

花菖蒲の風景に、点景として、人や船を入れると臨場感が出て思い出に残りやすい。

☘️5月から6月は日本全国で花菖蒲が開花します。

全国で有名な花菖蒲園

🔵岩手県平泉の世界遺産「毛越寺」300種、3万株の花菖蒲
🔵北海道厚岸(あっけし)約30万株のヒオウギアヤメ
🔵小田原城の花菖蒲はアジサイと一緒に城内を彩る

☘️平泉の世界遺産:毛越寺(もうつうじ)
広大な庭園の毛越寺にある美しい大泉が池周辺のあやめ園に300種、3万株の花菖蒲が咲き誇っているのを見た時は、言葉も出ないぐらい感動した。

☘️小田原城の花菖蒲園からはお城が見え、夜のライトアップも見事です。一度は行ってみる価値があるはず。

千葉県にある花菖蒲園

🔵香取市の水郷佐原あやめパーク
🔵佐倉市の佐倉城址公園
🔵袖ケ浦市の袖ケ浦公園
🔵市原市のいちはらクオードの森

佐原水生植物園の花菖蒲

千葉県に素敵な花菖蒲園がある理由とは?

千葉県には水郷や歴史的な場所、公園など、いろんな所で美しい花菖蒲を楽しめる。
その理由は歴史的な場所や公園に菖蒲田があり、水郷や緑豊かな環境を県や自治体が誇りを持って、独自に整備しているから。

江戸時代からの水路を生かす

水路を生かした伝統行事。前景に花菖蒲の群落、江戸時代を演出した衣装を着て、祭囃子を演奏しながら船を進める。
この瞬間を撮りたくて、カメラを構えじっと待っていたのだ。
さあ シャッターチャンス!

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緑豊かな環境で守られている花菖蒲園

緑豊かな環境の中で守られている花菖蒲園
photo by Mr.Soutan

花菖蒲は品種改良の結果、約2000種以上もあり、厳格にはどの系列化を断定するのは困難。このブログの写真のコメントも100%正確と言い切れない。

専門家の皆様もあまりに品種が増え過ぎ、名称、系列などが混乱するという弊害に気づき、原点に戻す努力をされている。

花菖蒲は基本的に花弁のつけ根が黄色で、アヤメのような網目模様はなく、葉幅は狭く、葉脈がはっきりと隆起している。
三英咲き(さんえいざき)と呼ばれる3枚の弁が目立つものと、6枚の弁が広がる六英咲き(ろくえいざき)、そして八重咲きなどがあり、品種の育成地によって、江戸系伊勢系肥後系の3タイプに大別される。

しかし、これらの交配した花菖蒲が多数あるのでプロでも正確に分けることは難しい。

細かいことはさておき、おおらかに写真を楽しんでください。

毎月1日と15日に更新。お楽しみに!

花菖蒲って奥が深いですね。お殿様も愛したという花菖蒲。ぜひ見に行きたい。ゆとりのある方、ご自宅でも育ててみませんか。

💑おまかせ花菖蒲 3号( 5ポット)


💑花菖蒲 潮流(チョウリュウ)江戸系


💑花ギフト:男の子 花しょうぶ鉢植え


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6月の尾瀬の美を撮る

「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空」名曲「夏の思い出」は、1949年にラジオ番組で放送された。その後「尾瀬ってどこ?」「水芭蕉ってなに?」の尾瀬ブームが始まった。

尾瀬は日本列島のほぼ中央に位置し、福島県・栃木県・群馬県・新潟県の4県にまたがり、東京ドーム約8,000個分の広さ。
尾瀬ヶ原の標高が1,400m。尾瀬沼が標高1,660m。
周囲には燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)、会津駒ヶ岳、田代山、平ヶ岳など、さまざまな山があり、そこから流れる水が水芭蕉を生育している。

尾瀬の魅力は湿原の美しさ、高山植物、湖沼などの自然環境、そして学術的価値の高さが挙げられる。

そんな魅力あふれる尾瀬にカメラを担いで登る途中で、若い女の子たちが苦しそうな呼吸で話しているのを耳にした。
「テレビでは広々とした湿地帯を人々が歩いているだけ、しかも平坦な木道を。ちがうじゃん」

尾瀬ヶ原が1,400mの標高とはテレビでは放映していない。平坦な湿地帯を、のんびり歩く姿だけを映像で見ただけの彼女たちはとにかく軽装。認知度が上がったのはいいけど、大切な自然を守る意識がどこまであるのか心配になった。

まあ、それはともかく、重いカメラを持ってきた目的は山々と湿原の風景、そして水芭蕉を撮影するぞと意識を集中させた。

可憐な水芭蕉には誰もが魅了される

水芭蕉の咲く尾瀬を撮影

山や水芭蕉を撮る3つのコツ

Mr.Soutanの写真術:山や水芭蕉を撮る3つのコツ

①風景写真では地平線の位置が大切

②白い花を撮る時はホワイトバランス調整

③水芭蕉を下から撮るので下半身を鍛える

尾瀬の山々

至仏山と燧ケ岳

至仏山(しぶつさん)

①風景写真では地平線の位置が大切

雪化粧がまだ残る標高2,228m 至仏山(花の宝庫)

地平線をどこにとるかは構図の基本。山が主役なら地平線を三分割の一番下の部分にして撮る。

至仏山(しぶつさん)

至仏山から海底の古生物「ウミユリ」の化石が発掘された。 山の鼻ビジターセンターにウミユリの化石が展示してある。興味のある方はぜひ立ち寄って、ご覧ください。

燧ケ岳(ひうちがたけ)

尾瀬ヶ原と尾瀬沼の産みの母?

燧ヶ岳(ひうちがたけ)標高2,356m
福島県の最高峰。数万年前に燧ケ岳の噴火により只見川や沼尻川がせき止められて、尾瀬ヶ原と尾瀬沼が誕生した。

そびえ立つ燧ケ岳

聳え立つ燧ケ岳

なぜ木道がある?

木道は、ぬかるんだ湿原を歩きやすくするために設置された。また、湿原を保護するためにも木道が整備されている。

水芭蕉の群生と燧ケ岳

左側に木道、右側に水芭蕉、その先に白樺や雑木林。遠方に燧ケ岳。風景の中で大切な遠近感を表現するには木道が重要な役目を持っている。奥に行くにつれて細くなる木道。それが山へと向かっている。この構図を得た瞬間、重いカメラが急に軽くなった。

水芭蕉の群生と燧ケ岳

水芭蕉の思い出

水芭蕉の英名は?

こんなに日本では愛され親しまれている水芭蕉。英語に訳すると「white skunk cabbage」(白いスカンクのキャベツ)

水芭蕉が白いスカンクとは何ごと?

アメリカで見た時の水芭蕉は黄色だった。しかも強烈な悪臭。クロユリを思い出して、慌てて鼻を遠ざけた。でも、日本の水芭蕉はほんのり甘い香りがする。世界に水芭蕉はこの二種類といわれても、納得できない自分がいた。確かに形は似ているが。

ちなみに水芭蕉の花言葉は葉に包まれて咲く姿にどこか懐かしさと美しさを感じることから「変わらぬ美しさ」。これは同感。

写真で水芭蕉をご案内

主役が水芭蕉。構図の80%を使う。

写真で尾瀬の水芭蕉をご案内

水芭蕉が群生で咲く理由?

水芭蕉は種を水の流れで運ぶので、川沿いに沿って芽を出す。だから、清流の流れる尾瀬は最適な環境。

水芭蕉が群生で咲く理由?

子孫繫栄は尾瀬の清流のおかげです。

ヒグマの大好物は水芭蕉の根っこ

ヒグマは冬眠する前に水芭蕉の根っこを食べて毒素を排出してから、クマザサを食べ、体内を浄化させてから冬眠。目が覚めると美しい花を咲かせる水芭蕉を愛でる。
「秋になったら、食べてやるぞ! 美味しくなれ!」
ヒグマが思っているかどうかは知らないが。

ヒグマの大好物は水芭蕉の根っこ

水芭蕉の魅力

清流が水芭蕉を育てる

「おぜ」とは「尾瀬」あるいは「生瀬」。「浅い水湖中に草木の生えた状態」つまり湿原の意味。
この湿原は6000~7000年もの長い年月をかけて作られた。尾瀬は東西6㎞・南北2㎞、東京ドーム約8,000個分の広さ。

特にこの湿原は、燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)、会津駒ヶ岳、田代山、平ヶ岳など、さまざまな山で囲まれている水流のど真ん中。それらを源流とする高層湿原。

その清き流れが水芭蕉を育てている。

清流が水芭蕉を育てる

川の流れに沿って水芭蕉が咲いている。

ワクワクしながら、水芭蕉に近づく

木道から降りてはいけない。残念だが、水芭蕉を守るため。

ワクワクしながら、水芭蕉に近づく

白い大きな花びらのような部分は、植物学的には花弁ではなく、葉が変形した苞(ほう)。(ホーニャン!)

②白い花を撮る時はホワイトバランス調整

カメラ、特に一眼レフカメラにはホワイトバランス機能がついている。状況に応じて設定することができる。天気が晴れ、曇り、雨、そして朝か夕方かなども光を調整できる。夕焼けなどもその機能を使うことで、美しい色を再現できる。

でも、面倒だったらオートに設定すればいい。
今のスマホは頭がいい。全てをスマホに任せれば光もピントもOK。しかもスマホは軽い。

白い花を撮る時はホワイトバランス

白い苞と黄色い花。陰影が深みを表現し、光が躍動感を演出。

並んで咲くのは家族だから

水芭蕉の白い部分が苞(仏炎苞)。水芭蕉の花は黄色い棒状の部分。その中におしべとめしべがある。そこから生まれる種が並んで流れて、自分の居場所に落ち着く。新しい家族として。

白い苞はまるで横浜にある帆船日本丸を思い出す。

並んで咲くのは家族だから。

主役は真ん中の水芭蕉。白を美しく撮るには陰影も必要。

「花びらは?」「ごめん、私は苞なの」

花は中心の黄色い円柱状の肉穂花序にあり、花びらの「びら」が肉眼では見えない。花びらは美しいという思い込みから、つい苞に心が奪われてしまう。

「花びらは?」
「ごめん、私は苞なの」
水芭蕉の会話が聞こえてきませんか?

花びらは? ごめん、私は苞なの

水芭蕉の黄色い部分、花びら4枚、めしべ1本、おしべが4本。

③水芭蕉を下から撮るので下半身を鍛える

尾瀬の水芭蕉は背が低く、木道の下で咲いていることが多いので、カメラを地面近くに持っていく必要がある。しかも、標高1,660mの尾瀬ヶ原まで歩いて行ける下半身を鍛えて、体の準備をしておく必要がある。

水芭蕉を下から撮るので下半身を鍛える

ハートフルな水芭蕉。「美しい思い出」「変わらぬ愛」
そんな花言葉にぜひ添えて欲しい一枚です。

自然を守る意義

尾瀬は誰が管理している?

東電HD。尾瀬国立公園は群馬県片品村、福島県檜枝岐村、新潟県魚沼市にまたがり、東電HDは全体の4割に当たる約1万6千ヘクタールを所有、管理している。

尾瀬は誰が管理している?

2,356mの燧ケ岳。山頂にオコジョに会うために登ったのだが、風が強く、オコジョを見つけることはできず、早々に退散。

尾瀬を守る人々

尾瀬国立公園

尾瀬を守った長蔵小屋の平野長蔵氏

2007年8月の尾瀬国立公園に指定されてから人間による破壊は激減した。しかし、近年、ニホンジカによる湿原や林内の食害や踏み荒らしも問題となっている。
湿原の美しさや、高山植物、湖沼などの自然環境は一度破壊してしまったら、元には戻らない。守るにはどうしたらいいか?
尾瀬に行く度に考えさせられる。

尾瀬ヶ原ダム計画を永住覚悟で守り続けた長蔵小屋の平野長蔵氏のように命を懸けて守った人を尊敬してやまない。

尾瀬を守った長蔵小屋の平野長蔵氏

尾瀬の歴史と未来

尾瀬の歴史

約数万年前に燧ケ岳が噴火して、只見川や沼尻川がせき止められて、尾瀬ヶ原と尾瀬沼が生まれたという説がある。
長い間、静かに眠ったように自然を営んでいた尾瀬。ところが人間、特に首都圏を賄う水量のために尾瀬を沈めて、ダムを作ろうという話が出た。国と東電が協力し、1919年にダム建設を着手。ところがもちろん反対派が出た。文部省と厚生省。そして、平野長蔵氏。彼が長蔵小屋に永住し、尾瀬を守ると宣言した。1966年、反対派の強い意見で尾瀬ヶ原のダム計画は延期。その後、1996年に計画中止と決定した。反対派の大勝利。

その後、東電HDは各自治体と尾瀬保護財団を設立。2007年には尾瀬国立公園として認定された。

尾瀬の未来

湿原の美しさ、高山植物、湖沼などの自然環境、そして学術的価値の高さ。尾瀬はこれからも守るべき価値ある存在。長い年月をかけて生まれたこの天空の湿原、日本最大の高層湿地帯だから。

湿原には、水芭蕉やニッコウキスゲ、ワタスゲなどの高山植物だけでなく、トンボや甲虫類も多様に生存している。未来にもこの大切な自然を残したい。

守ろうみんなで!

尾瀬を訪れる人々が足で踏み付けて、湿原や登山道周辺を荒らし、汚水等による水質や水生生物、植生の改変、靴底からの移入植物の進入など、生態系を破壊してしまう。
また近年、ニホンジカによる湿原や林内の食害や踏み荒らしも問題となっている。
これらの問題をどう解決するか? 
未来に尾瀬を残すために私たちが何をできるか?

平野長蔵氏の功績を高く評価し、日本全体で尾瀬を守ることが大切です。尾瀬の写真を撮りながら、そんなことを思った。

このブログは毎月1日と15日に更新。皆様の訪問を心からお待ちしてます。

尾瀬の魅力を知った後は、尾瀬の清流のお酒やドレッシング、尾瀬の天然水をご購入ください。必ずご満足頂けます。

尾瀬の雪どけ 純米大吟醸 桃色にごり 生酒


群馬 お土産 片品産えごまドレッシング


【ふるさと納税】尾瀬のおいしい水3ケース


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世界最古大賀ハスの写真

泥水を糧に美しい花を咲かせる蓮

世界最古の大賀ハス

世界最古の大賀ハスはクローン?

世界最古のハス

1951年、大賀一郎博士が、千葉市検見川にある東京大学検見川農場の落合遺跡で、2000年前の蓮の種を発掘。その種を元に発芽・開花させた蓮を大賀ハスと称している。

大賀博士は発掘した芽を開花させることに成功しただけでなく、国外内、惜しみなく分け与えた結果、現在、2000年前の蓮が世界中で美しい花を咲かせている。まさにハス・クローン

大賀ハスのスライドショーをお楽しみください!

観賞用ハスの栽培をする東大生

その後、観賞用蓮品種の研究が続けられ、2010年、西東京市の田無キャンパスに移設され、東大生態調和農学機構となり今日に至っている。

大賀ハスの写真集

田無キャンパスに移転する前年に、千葉市の検見川にあった東大緑地植物実験所で公開された際に、早朝からカメラを担いで撮影した大賀ハスの写真をごゆっくりご鑑賞ください。2000年前、同じように咲き誇っていたのではと想像するだけでわくわくしませんか。

写真術:蓮を美しく撮る3つのコツ

Mr.Soutanの写真術:蓮を美しく撮る3つのコツとは?

①蓮の花の開花は朝早いので早朝から撮影

②蓮の花は開花時期より、開花時間が大切

③構図の切り取り、視点、露出を変える

①蓮の花の開花は朝早いので早朝から撮影

深夜の一時頃からゆるみ出し、早朝7時~9時頃に全開。

深夜の一時頃からゆるみ出し、早朝7時~9時頃に全開。

腰を下ろし、花を見上げ、光と影を意識して撮る。

腰を下ろし、花を見上げ、光と影を意識して撮る。

葯(やく)の美しさを蝶になった気持ちで上から撮影。

葯(やく)の美しさを蝶になった気持ちで上から撮影。

花びらが全開するのは、7~8月中旬頃まで。しかも早朝。
全神経を集中し、シャッターを押す。

花びらが全開するのは、7~8月中旬頃まで。しかも早朝。
全神経を集中し、シャッターを押す。

②蓮の花は開花時期より、開花時間が大切

蓮の花の開花時間帯
日の出とともに咲き始め、7~9時頃に満開を迎え、9~10時を目安に花は蕾へと戻り始める。午後になると咲いている花はほとんどなく、翌日散ってしまう。美しい存在は薄命かも。

蓮の花の開花時間帯

細い茎に大きな花びら、風が吹くと揺れるため、ピンボケになってしまう。ピント(焦点)がピッタリ合う瞬間を待とう。

細い茎に大きな花びら、風が吹くと揺れるため、ピンボケになってしまう。ピント(焦点)がピッタリ合う瞬間を待とう

背景をぼかすことで、花びらの陰影や花びらの透明感を表現。

背景をぼかすことで、花びらの陰影や花びらの透明感を表現。

同じく背景をぼかし、花びらや葯(やく)の軽やかさを表現。

同じく背景をぼかし、花びらや葯(やく)の軽やかさを表現。

③構図の切り取り、視点、露出を変える

何を撮るか?撮る人のセンスも関係するが、その時しか得られない偶然性の出来事、チャンスを生かすのも大切。

何を撮るか?撮る人のセンスも関係するが、その時しか得られない偶然性の出来事、チャンスを生かすのも大切。

花びらが一枚一枚、まるで踊っているかのような柔軟性を表現。

花びらが一枚一枚、まるで踊っているかのような柔軟性を表現。

「これから一緒に咲こうね」と蕾を誘うような表情を表現。

「これから一緒に咲こうね」と蕾を誘うような表情を表現。

背景を深緑色にぼかすことで、白い花びらを一段と美しく表現。

背景を深緑色にぼかすことで、白い花びらを一段と美しく表現。

写真コラム:白黒からカラー

なぜローマの休日は白黒?

写真が白黒、テレビも映画も白黒。それが1935年にカラーフィルムが開発され、1941年には、日本初のカラーフィルムが発売された。

余談ですが、そのカラーフィルムの一番乗りは野口英雄博士だったそうです。黒いスーツの胸ポケットに黄色い花を挿して撮影。写真を撮られるのが大好きだったらしい。

その後、1981年にソニーから「マビカ」というカメラが発売されてから、フィルムからデジタル、そして、今のスマホ付きのカメラへとすごいスピードで変化し続けている。

そこで映画「ローマの休日がなぜ白黒か?」
とふと思った。
学生の頃、始めて映画館で見た時、オードリー・ヘプバーンの美しさに声も出なくなるほどびっくりした。
「美しい!こんな美人が世界にはいるんだ」
先日、久しぶりにビデオで鑑賞。自分でも驚いたが、カラー映画を見ている今の自分が、白黒映画に感激している。
白黒だからこそ美しく見える主人公、そしてローマの風景。

当時はすでにカラー映画が出ていた。「風と共に去りぬ」などはローマの休日より前の作品なのに総カラー。

なぜローマの休日は白黒?
調べてみると予算がなかったからという理由。ローマでの撮影となるとアメリカの映画会社としてはお金がかかりすぎる。
そのために白黒だったということらしい。
でも、本当に美しく、ヒロインを撮影し、ローマの魅力を再現している。カメラスタッフの技術力が当時の最高峰だったことも幸いしている。白黒映画、白黒写真。これからも残って欲しい。

付録の「白黒写真」

昭和40年代に学研の付録に「白黒写真」というのがあり、大いに理科への興味が湧いた。当時はカメラはとても高級で子供が持つことなど夢のような時代。しかし、撮影の基本が理解できる楽しい付録シリーズだった。
多分、それがもとで写真に関心を持った人々が多いと思う。

時代の進歩はとにかく速く、理解するどころか、ひたすら追いかけて走っている状態。しかし、写真がデジタルになって、そのためにパソコンが使えるようになったのは儲けもの。

人生、無駄な経験はないということです。

蓮の花言葉は「清らかな心」

蓮の花言葉は、「清らかな心」
ハスが泥の中から美しい花を咲かせる姿から付けられた花言葉と言われている。そして清らかな心は悟りの世界を表している。
即ち、蓮の花は仏教における最上の花として、悟りの世界を象徴する花となっている。

蓮は泥の中に根付いて水面上にきれいな花を咲かせる。
蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉もあるように、泥の中にありながら、まっすぐに茎を伸ばし、美しく咲く姿が、煩悩に溢れた俗世に染まらず、清らかに美しく生きる姿が悟りを開くことを目指す仏教の教えに通じる。

インドでは、インダス文明の頃から神聖化され、今は国花とし大切にされている。ちなみに呼び方は「ロータス」英語読み。

大賀ハス:クローン技術

大賀一郎博士にノーベル賞を!

大賀博士が2000年前のハスの種を見つけた場所は、千葉県検見川の落合遺跡。弥生時代の発掘現場、地下6メートルの場所。そこで発掘できたのはたった3粒。博士はその2粒の種を失敗。三度目の勝負をかけた3粒目が見事発芽、そして開花した。

実は博士、ハスの研究を始めてからすでに30年以上が経過していた。もっとも、ハスに興味を持ったのは子供の頃。近くの神社の池に咲いているハスに心を奪われた。それからの人生、全てハスに捧げた情熱が成功の要因だったといえる。

博士は学生たちの力を借りて、その種を増やし、欲しいという人々に分け与えた。そして今、2000年前のハスが全世界で花を開花し、人々を楽しませている。ハスのクローン技術は素晴らしい発展を遂げている。

ハスは古代において、花の美しさばかりでなく、生活の必需品だったに違いない。根や実に様々な薬効があり、食用としてもミネラルや食物繊維が沢山含まれている。

大賀博士は30年以上の研究の成果で、ハスの生態を熟知していた。だから、6mも深い発掘作業の中で、たった3粒を発見できた。一般人には考えられない非常識な行為。でも、博士は自分を信じて実行した。そして、世界最古のハスを発芽、開花させた。

1965年に82歳でこの世を去ってしまったが、たぶん、あの世でもハスの研究を続けているはず。

大賀博士の偉大な業績にノーベル賞を!
ぜひ記憶に留めて欲しい大賀ハス!

大賀ハスを撮影しながら、ハスだけでなく、様々な知識が得られる。やはり写真万歳。
毎月1日と15日に更新。お楽しみに☘️

ハスの写真を楽しんだ後は、ハスの商品がお勧め💑

ハスの花は鑑賞するだけでなく、美白効果もあるそうです。ハスの実は薬効成分、ハスの地下茎であるレンコンを食べると多分、美肌だけでなく体全体にいいかも。お勧めです。

手乗りハス 小舞妃 ポット苗


花ハス:中型品種(草丈)(肥料付)


ハスの実 1kg(胃腸機能を高め、疲労回復、むくみ予防他)


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上野東照宮牡丹苑の冬牡丹

徳川家康公を御祭神

上野東照宮牡丹苑は、徳川家康公を御祭神とする上野東照宮の敷地内に、1980年4月、日中友好を記念し開苑されたものです。1/1〜2/下旬の冬牡丹と4/上〜5/上の春牡丹の年2回開苑されます。

今回は豪華な色彩を放つ冬牡丹の写真を掲載致します。

牡丹の花は豪華なので、中国では花王として愛されています。牡丹は中国の国花とされていた時代もあり、詩歌に詠まれたり、絵画に描かれ、愛でられて来ています。

「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」 これは美人を形容する言葉ですが、実は漢方薬の世界で生薬の用い方の例えだったようで、昔は特に女性は静坐する機会が多く、下半身に血行障害が起こった場合牡丹の根の部分を飲用する事により血行が改善されるそうです。

上野東照宮牡丹苑

写真術:花の上手な撮り方

Mr.Soutan:花を上手にとる3つのコツ

構図:視点の工夫が上手の一歩
光:自然光で撮影するのが最適
カメラ:絞りを広く設定し、背景をぼかす

構図:視点の工夫が上手の一歩

豪華な色彩の冬牡丹

淡い黄色は光の色。白との差がないので難しい。

主役真正面から勝負!
ボタンをさらに美しく!

中心部をバッチリ撮影

重なりや花びらのソフト感が表現できる。

黄色い牡丹:中心部をバッチリ撮影

ピントをやや手前に合わせる

花の揺らぎが伝わり、華やかな雰囲気を自然に表現できる。

ハイヌーン:ピントをやや手前に合わせる

花の中心や花びらの動きを意識する

幾重にも広がる八重の花びらの重なりの美しさが撮れる。

八重の牡丹:花の中心や花びらの動きを意識する

見上げる視点(3点透視図法)

設計図で使う3点透視図法。難しく考えない。
腰を下げる姿勢、あるいは寝転んで撮るという自分の体の位置を上下することで可能です。

花言葉「ひたむきな愛」が似合いそうな愛らしい一輪。

赤い牡丹:見上げる視点(3点透視図法)

中心をちょっと右上に移動し、花びらの光と影を演出

豪華な赤い牡丹:見上げる視点(3点透視図法)

光:自然光で撮影するのが最適

花びらの光を表現する

午前中の光が最適。花びらが光を反射している雰囲気を撮りたいときは逆光もOK。

降り注ぐ日差しに透けるような軽やかな花びら。

ピンクの八重牡丹:花びらの光を表現する

「白鳥の湖」の4人の踊り子を思い出す

遠近感、動線、ムーブメントが表現できた一枚。

ピンクの牡丹4個:「白鳥の湖」の4人の踊り子を思い出す

牡丹を寒さから守る「わらぼっち」

長い間、公家や武家屋敷で大切に育てられた高貴な花。

牡丹を寒さから守る「わらぼっち」

清楚な牡丹を守るのは当たり前

今は庶民の間に広まっている牡丹。でもわらぼっちで守るのは昔通り。

白い牡丹:清楚な牡丹を守るのは当たり前

世界中の人々に愛される理由

その美しさは世界中の人々を魅了し、感動した人がさらに品種改良でパワーアップさせ、美の頂点を目指しているから。

変化を続ける牡丹:世界中の人々に愛される理由

花の形は一重、八重、千重、万重

松江の大根島の牡丹生産は日本一。始めは島の女性たちの行商で全国に普及。今では世界へ年間60万本を輸出する牡丹島。

愛らしい牡丹:花の形は一重、八重、千重、万重

カメラ:絞りを広く設定し、背景をぼかす

背景ぼかすことで、赤い牡丹をさらに王者の風格に仕上げます。花の写真の醍醐味。

赤色牡丹は王者の風格

主役を引き立たせるには周囲をぼかす。これは王道。
王者の牡丹を王道で撮影。(笑)

赤い牡丹:カメラ:絞りを広く設定し、背景をぼかす。主役を引き立たせるには周囲をぼかす。これは王道

白い牡丹は高貴あるいは誠実

白い牡丹。背景をぼかすことで奥行きのある陰影を強調。

白い牡丹は高貴あるいは誠実

紫色の牡丹の花言葉

紫色のシコンノボタン(紫紺野牡丹)だけには「ひたむきな愛情」「謙虚な輝き」「平静」などの花言葉がある。
ブラジル産のこの紫色の牡丹は毎日休むことなく咲くためにこれらの花言葉が生まれたようです。

紫色のシコンノボタン(紫紺野牡丹)だけには「ひたむきな愛情」「謙虚な輝き」「平静」などの花言葉

侍タイムスリッパーは江戸時代から現代へ

日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した侍タイムスリッパーより、はるかに時空を超えて広まった牡丹。その美しさはこれからも人々を幸せにする価値ある存在。

牡丹タイムスリッパー?

牡丹は中国の国花?

日本では、桜や菊が富士山と並んで日本の象徴になっているが、法律で定まった国花はない。同じく、中国でもまだ定まっていない。梅にしようか?蘭にしようか?それとも牡丹?

悩んではいるものの、国民の多くは牡丹が大好きで、ぜひ国花にしてほしいと願っているらしい。

ちなみにアメリカやイギリスはバラ、韓国はムクゲ、スペインはカーネーション。赤いカーネーションは母の愛を表現している。

牡丹は空海の土産?

以前、熊野古道から高野山に登った時に、一番驚いたのは観光客の多さだっだが、つぎにあちこちに咲き誇る牡丹の美しさだった。お札売り場の若い巫女さんにその美しさを称賛すると、
「300種類、600株以上あるんですよ」と即答してくれた。
「だってね」横から口を挟んだ年増の巫女さん、
「お大師様が唐からお持ち帰りになったんだもの」

まさかと思いながら、その場は去ったものの、その言葉がずっと心に残っていた。
空海は長安をイメージして高野山を築いた。だったら、長安の王宮の豪華なボタンを再現しても当たり前。
司馬遼太郎氏は空海を詩情・造形・色彩のある男と『空海の風景』の中で称している。

奈良時代か平安時代に渡来したといわれる牡丹。
天才的な空海が運んでくれたと想像するだけで楽しくなりませんか。信じるも信じないのもあなた次第。

でも、空海説はともかく、牡丹を愛し、育てる人々は世界中に幸せを分け与えているはずです。

黄色い牡丹はどこの国から?

フランス生まれの金閣とは?

フランスでは牡丹のことを「ピボワンヌ」(pivoine)という。
1919年にフランスで生まれた黄色い牡丹。日本で販売されるときは「金」を名前の頭につけることが多い。
例えば、金閣や金鵄(きんし)といった名前で、黄金のようなイメージを強調している。

米国生まれのハイヌーンとは?

アメリカでも近年改良が加えられ、それまで存在しなかった独自の黄色い牡丹を作り出し、成功を収めたのがハイヌーン。
ハイヌーンには正午とか、真昼間とかの意味があるが、確かに光が最高点になる色にも似ている。映画「真昼の決闘」もアメリカではそんな名前だったような記憶がある。

牡丹には色別の花言葉がない

牡丹の花言葉は、「富貴」「高貴」「壮麗」「王者の風格」「恥じらい」「誠実」「思いやり」などがある。他の花と違って、色別での花言葉はないそうです。

でも一つだけ例外が紫の牡丹。紫色のシコンノボタンには「ひたむきな愛情」(毎日咲く姿のイメージからの花言葉)

牡丹タイムスリッパー

2000年前、中国大陸の草原でひっそり美しく咲いていた牡丹の花。その後、時と空間をスリップ。日本やシルクロードを経て、ヨーロッパで見事に開花。さらにアメリカ人でさえ、その魅力に惹かれて、まさかの黄色い牡丹まで改良し、世界に発表した。
今なお、時空を超えて開花する牡丹タイムスリッパーは人々を永遠に魅了している。

「空海の風景」で司馬遼太郎が「空海が苦難の旅を経てたどり着いた寺院の庭に咲き誇っていたのは牡丹の花々」と書いていた。
その文章を読んだ時に、もし空海なら、牡丹の美しさはもちろんだが、その薬効に気がつかないはずはない。必ず根っこを持ち帰って、お寺の庭に植えたはずと思った。
空海は身体にいいものを見つけ、仏教の布教の助けにしたはず。各地に残る温泉発掘のポイントは空海の伝説が数多く残っている。牡丹もそのひとつではなかっただろうか?

タイムスリッパー。牡丹も時と空間を超えて世界中へと羽ばたいたが、空海の教えも今なお人々の心をしっかりつかんで離さない。高野山を訪問した時、戦国武将として戦った人々の墓が隣同士に並んでいた。あの世では仲良く暮らしているに違いない。

高野山には思想や権威を通り越した先の未来の世界があると感じた。もしかすると空海こそがタイムスリッパーだったのかも。

写真は楽しみを生み出す

写真術は撮影スキルだけでなく、様々な想いを広げることで楽しみが生まれる。ゆとりを持って、シャッターを押すときも慌てないことが大切。

美しい牡丹を育てるのは至難の技。でも苗からならできるかも。そんなあなたにお勧めです。

苗木:赤い牡丹「太陽」

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書籍:造園実務必携/藤井英二郎


毎月1日と15日に更新予定。お楽しみニャン!

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🌸弘前城の桜2025

風景写真術:桜並木撮影の3つのコツ

⑴ 青空が桜並木を魅力的にする
⑵ 桜並木と同格の大物を配置する
⑶ 人や舟など点景を入れオリジナリティーを表現

弘前城の桜並木

ソメイヨシノ寿命60〜80年説がある中、樹齢140年を超える日本最古のソメイヨシノの樹がある。それが今も幹が見えなくなるほど花を付けている。

日本一と称される弘前の桜は、太陽の光がどの枝にも差すように、独自の剪定技術を施した結果、一つの花芽からいくつもの花がモコモコと咲き、インパクトがある。

おらがサクラは日本一

サクラとリンゴは同じバラ科の植物であること。リンゴの病虫害から守る技術とリンゴ独特の剪定技術をソメイヨシノにも応用した結果「おらがサクラは日本一」だという誇りがある。サクラとの70年の奮闘がそれを作り上げている。すばらしい!

天守閣の装い

①天守閣が大量のソメイヨシノに囲まれ堂々と佇んでいる。

天守閣が大量のソメイヨシノに囲まれ堂々と佇んでいる。
taking by Mr.Soutan

⑴ 青空が桜並木を魅力的にする
青はピンク色を引き立てる効果が抜群。曇った空では桜との境目がわからない。
いい写真を撮りたいと思ったら、晴れの日をしっかり押さえよう。

主役は桜、脇役は?

枝垂桜はお城の御簾?

②枝垂桜に隠れて天守閣が見えないぞ!

枝垂桜に隠れて天守閣が見えないぞ!
taking by Mr.Soutan

⑵ 桜並木と同格の大物を配置する
桜は4月の一週間しか咲かないけれど、弘前城は一年中、主役として存在する。しかし、4月は桜が主役。桜並木と同格の大物弘前城の天守閣赤い橋、岩木山と一緒に並んで魅力が爆発。それもまた「日本一の桜」と呼ばれる理由。

ソメイヨシノの大木と赤い橋

③お壕の向こうに行って見よう。ソメイヨシノの大木が沢山ありそうだ。

お壕の向こうに行って見よう。ソメイヨシノの大木が沢山ありそうだ。
taking by Mr.Soutan

岩木山の魅力倍増

④どうかね。岩木山をバックに撮影すると、さぞや男前に写るだろう!

どうかね。岩木山をバックに撮影すると、さぞや男前に写るだろう!
taking by Mr.Soutan

桜並木+点景で臨場感を表現

人や舟を入れてオリジナリティーを表現
桜並木を舟から眺める人々、記念写真を撮る人、感動して立ち続ける人、その場所でしか見れない点景を一緒に写すことで、臨場感、オリジナリティーを表現できる。

遊覧船とは贅沢三昧

⑤ここで一句
「散る桜 かき分け進む 遊覧船
 贅沢三昧 冥土の土産」

散る桜 かき分け進む 遊覧船 贅沢三昧 冥土の土産
taking by Mr.Soutan

お濠周りのソメイヨシノはすごい

⑥弘前城の周囲約3kmに濠が巡らされているが、このような大木のソメイヨシノでその濠は囲まれている。とにかく、凄すぎる!

弘前城の周囲約3kmに濠が巡らされているが、このような大木のソメイヨシノでその濠は囲まれている。とにかく、凄すぎる!
taking by Mr.Soutan

弘前城の桜並木の歴史

弘前藩士の京都土産

江戸時代が始まり

正徳5年、西暦では1715年。京都の嵐山からカスミ桜25本を弘前藩士がお土産として持ち帰ったのが弘前城の桜並木の始まり。カスミ桜は寒さに強い山桜の一種。青森でも植生できるかもしれないと考えた弘前藩士、名前は残っていないが、先見の目があったすごい偉人です。

内山覚弥氏&菊池楯衛氏

明治4年(1871年)、廃藩置県後にすっかり荒れ果ててしまった城跡に桜の木を自費で20本植えた内山覚弥氏。その彼の偉業に感銘した菊池楯衛氏が1000本追加。さらに1903年頃に大正天皇結婚記念として1000本追加されて、現在の約2600本へと引き継がれた。
明治政府の後押しで始まったリンゴ栽培の方法を参考に、独自に弘前方式という枝が横に張るような剪定技術を編み出して、素晴らしい桜並木を後世に残している。

最後までブログを御覧頂き感謝します。
2025年4月から毎月1日と15日更新。
皆様の人生の楽しみが増えるよう頑張ります。

美しい桜の写真をご覧頂いた後は、故郷納税クーポンがお勧め。楽しんで来てください!

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